もっと楽しく、もっと遊びやすくなったSwitch版ドラクエ11S無料体験版の感想。
2017年、ドラクエで一番好きだったⅣを華麗にぶち抜きマイフェイバリットドラクエとなったドラクエ11。
これまでのドラクエが大好きであればあるほどその愛情を変数として掛け算的に面白くさせる構成。
堀井雄二、すぎやまこういち、鳥山明の「これがドラクエだ!見たか!」というビッグ3によるミナデインに往年ファンはぶち殺されたんではないでしょうか。
当時のキモい感想はこちら※ガッツりネタバレあり
さてそんなドラゴンクエスト11が新要素を引っさげてSwitch版として帰ってきます。
10時間分遊べる!という煽りで体験版まで用意されていて、これはもう確実にリピーターを狙ってる事は明らか。
実際にやってみたらプレイ時間は4時間弱くらいでした。
といってもダンジョン3つ分、パーティ4人集まるまでなのでくらいなので相当長いです。
「PS4のドラクエ11面白かっただろ?もっと面白くしたからよ、寄ってけや」という製作陣による無言の自信の表れがひしひしと伝わります。任天堂の据え置きハードでナンバリングタイトルが出来るのはWiiUの10があったけど、トラディショナルなドラクエとしてはこのSwitch版が1995年のスーファミ版6以来、実に24年ぶりの凱旋ですよ。
2017年当時世間を賑わせた、「PS4版では3Dモード、3DSでは2Dドットモード」というハードごとに用意された異なるデザイン、今回のSwitch版ではなんと任意で切り替えられるそう。
PS4版3Dはあれはあれでとても素晴らしかったけど、従来のドット絵でもやってみたいと思っていたのでこれはとても楽しみな追加機能です。
年のせいか携帯機でのプレイが年々キツくなってきてデカい画面でやりたいのですよ。
で、今回ざっとプレイした中で特にグッときたところを纏めました。
プレイ済みユーザーにももう一度ロトゼタシアを旅したくなるきっかけが満載ですわ。
ポイント1:みんなしゃべる!
PS4版を初めてプレイした時に感心したのは登場人物がセリフを話す時に、実際の声ではなく「ポロポロ」と昔ながらのSEがなることでした。
3Dモデルで活き活きと躍動するキャラクター達がしゃべる時だけ「ポロポロポロポロ」と口の動きに合わせて音を出します。
しかもこれ感情で若干音階が違ったりするので、よくこの音だけで感情表現したなぁと感心しました。
なので、Switch版で声優が声を当てると発表された時に動揺したのも事実です。
しかし実際にプレイするとこの喋るキャラというのがストーリーに違和感なく浸透します。
その上に戦闘中もセリフが走り、これはこれでありだな!とすぐに違和感が心地よさに変わりました。ホイミかけたら「助かったぜ!」とか言ってくれる。普段仕事で人に有り難がられる事がないので嬉しい。
知ってる作品なのに何だか新しい体験。
あのキャラクターはどんな声で、間で話すんだろう、など一度クリアしているからこそ気になる仕掛けになっています。
ポイント2:ダッシュできる!
PS4版ではこれまでのドラクエよりもフィールドが広大で、移動が大変でした。
それを物語の中の設定にあわせて上手いことシステム的に解消したのが乗馬システムでした。
ポケモンで言う所のチャリですね。
ところが乗馬システムにも弱点があり、当然馬が入ってこられない狭い洞窟の中では歩かなくてはいけません。
もちろんフィールドだけでなく各ダンジョン内も複雑にかつ広大に作られているため、移動には難儀します。
しかし今回のSwitch版ではダッシュ機能が追加されています。
ドラクエの滞在時間を伸ばす要因は
・移動時間
・レベルあげ時間
・カジノ
にあります。
で、必ずしもかかった時間分ゲームが楽しくなるというものではなくて、ゲームの本質的な面白さを享受するのに削れる部分というのがゲーム内の移動時間だと思うんですね。ただでさえ可処分時間の取り合いになってる昨今のゲーム事情を鑑みると、このダッシュ機能追加はとても良いUX改善だと思いました。
これ以外にもPS4版からシンボルエンカウント制にすることで余計な殺生機会を減らして他の事に時間を当てられるようになってるし、明らかにレベルを上げやすくなる様なポイントが用意されていました。また、フィールド上に点在するセーブポイントの数もこれまでのドラクエにはなかった特徴です。
これらプレイヤー側の事情をゲームデザインと高いレベルで共生させる設計がなされているので、時間のない現代人に最適化された遊びやすいドラクエなんですよ11って。
ポイント3:戦闘スピードをマッハにできる
これも時間に関する改善なんですが、戦闘中の待機時間とか攻撃スピードといった演出部分を爆速にできる設定があります。
呪文とか太刀筋が速くなるので初プレイの人には情緒が無くなってしまう為あまりお勧め出来ないのですが、一回やった人とか、あるいは雑魚戦ではこの機能が重宝します。
特にレベル上げの為の戦闘がめちゃくちゃ楽にサクサク出来る様になるので、すっごい遊び易くなっています。
早く続きがやりたくて仕方ないとこで終わる体験版
今回の体験版では序盤の山場となる、とあるシーンまでがプレイアブルとなっており、
「さぁこっからガンガンいくぜ!」の所で終わるんです。
普通は体験版提供の段階でここまでプレイアブル領域には完成度的な点で出来ないし、出来たとしても購入前にそこまで遊ばせることに制作側は抵抗があるはずです。
しかしそこは既にマルチプラットフォームで展開しているタイトル。
動かせる素材はあるし発売後2年は経ってるのでネタバレだなんだと、やいやい言う輩もいません。
時差がある移植版を出す時の見本のような体験版戦略でした。
上に書いた以外にも追加シナリオがあったり、音楽がオーケストラ版になってたり、フィールドでパーティみんなが走ってついてくる、とかちょっとした事だけど嬉しい新要素が待っているので体感値ではファミコン版ドラクエ3からSFC版ドラクエ3くらいの進化なんじゃないかと思います。
名作ドラクエ11がもっと遊びやすくアップデートされてるのでプレイ済みのユーザーもまずは無料版をダウンロードしちゃってブレス・オブ・ザ・ロトゼタシアを楽しめばいいと思います。
僕は寝ます。
さらば平成仮面ライダー。ジオウ映画の感想など
昨年冬の平成ジェネレーションFOREVERがアニバーサリー作品だからこそ表現できる、最高にエモい、作品の歴史とファンが持つ自分自身の歴史を肯定する卒業式的な映画だったのに対して、この映画は「これもまた平成ライダーだよね!」と開き直った様な映画だった様に思う。
見終わった後のあの何とも言えない整理がつかない感じ。
そうそう、春映画ってこんな感じだったよな。という懐かしい思い出。
でもこの騒々しさこそが不揃いな平成ライダーというものだったのかもしれない、
そんなことをおもってしまう。
ロボコンの後をうけてニチアサに仮面ライダーを復活させたクウガから始まり、来年は仮面ライダーをやらないのかもしれない。。。という緊張感と共にシリーズ黎明期を支えたアギト、龍騎、ファイズ。
アラサー世代は否が応でも自分の人生と重ね合わせて考えてしまう。なので平成ライダーの歴史は自分史でもある。そんな手探りだったあの時から20年弱でここまでエンタメの王様になるのだから、感慨もひとしお。
この映画を見て今や押しも押されもしない一大キャラクタービジネスコンテンツに成り上がったのだなぁと遠い目をしてしまった。
既に昭和シリーズよりもライダーとしての歴史は長くなっており、ただの特撮テレビ番組という域を超えて文化形成のフェーズになっていると言っても過言ではない。
そんな平成を代表するブランドとなった平成仮面ライダーシリーズの集大成として、正面から真っ向に描かない外し方もまた平成ライダーっぽいよね?……
……ぽいか?
とか思ってるところに
「レッツパーティエンジョイしなきゃもったいない」とか言われて俺は無事死亡した。
もうタピオカはこりごりだの巻(CV:ラサール石井)
テっテっテ〜レビを見るときは〜部屋明るくして離れてみってね
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麗子:おはよう両ちゃん
両津:おう、ん?なんだ麗子そのカエルの卵みたいな不気味な飲み物は
麗子:いやねもう!知らないの?タピオカミルクティよ。今若い子の間ですごい流行ってるのよ。
本田:先輩も一ついかがですか?
両津:なんだ!本田まで飲んでんのか!ん〜これどこかで飲んだ様な・・・
あ!思い出した!前にホンダラ拳の合宿で台湾に行った時にガキ共が露天で飲んでいたな。こんなもんが780円!?
待てよ・・駄菓子感覚でガキどもが飲んでたってことは、原価は大体これくらいだろうな。。で780円ということは・・・
これはとんでもないビジネスチャンスだ!いくぞ本田!!
中川:すごくイヤな予感がするなあ
(両津が去った派出所)
大原:やあみんなおはよう。
麗子:部長さん、おはようございます。
大原:ん?両津の姿が見えんな
中川:タピオカを見てなんか血相変えて飛び出して行きましたよ
(中国)
両津:本田!急げ!ブームが去ってしまう!
本田:そんなこと言ってももうバイクには乗り切りませんよ〜なんですかこの冷凍タピオカの量は〜
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麗子:まさか本当にタピオカランドを作っちゃうなんて・・・それも原宿の一等地じゃない。
中川:中川グループの持っている土地の一部をとんでもない金利で借りて行ったんだ・・
麗子:すごいじゃない両ちゃん。大盛況ね。
両津:やあ諸君。まだ警官なんてやっていたのかね。これからはね、タピオカだよタピオカ。
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本田:まずいですよせんぱ〜い、もうタピオカほとんど無くなっちゃいましたよ
両津;む・・・やむをえん・・・
部長:孫に頼まれてきたものの、どのタピオカがよいのかわからんな。わしも一つもらおう。店員さん、2つください。
店員:はいこちらです
部長:ん?なんだか独特な味がするな。まあこれが若い者の流行なのか。大介も喜んでくれるかな。
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ニュース:タピオカランドでカエルの卵による偽装が判明し、逃亡している代表取締役の両津勘吉に全国指名手配がかけられました。
部長:両津のバカはどこにいった!!
中川:韓国でハットグを栽培すると出て行きました!!
平成大特撮1989-2019を読んでライダー冬の時代のある日を思い出した話。
少し前に平成大特撮1989-2019という本を買った。
専門性の強いライターの方々が、マグマの様な熱量の愛で平成を駆け巡った作品たちを惜しみなく語った本だ。
特撮と言えばヒーロー系を真っ先に思い浮かべるが、この本ではホラー系や戦争映画なんかも取り上げている。リングとか。亡国のイージスとか。
そういえばいつの頃からか「特撮」が勝手に「ヒーローモノ」のニュアンスを内包しているような感じあったが、そもそも特撮って特殊撮影の略だものな。そらホラー映画やら戦争映画も特撮に入るわな、なんてことを思わされる。
自分は昭和62年生まれのキモメン中年。
物心着いた頃には仮面ライダーもウルトラマンもテレビではやっておらず、その姿はビデオのみで見ることができる昔のヒーローだった。
一方メタルヒーローとスーパー戦隊は毎週新作が放映され、おもちゃを買い与えられながら応援していた事を記憶している。
この本を読んでライダー不在だった冬の時代、ヒーローに渇望していた少年時代をふと思い出した。
今の様に動画ストリーミング配信なんてない時代、不幸にも父親の気まぐれで昭和特撮ヒーローの片鱗に触れてしまい、その偶像を追いかけ、まるで隠れキリシタンの様に生きていたあの時代。
物心がついた平成2年からクウガの影が現れる平成12年の10年ほどの間だけ振り返ってみようと思う。
これはとある小学生の記憶オンリーの思い出な為、一部実態とは乖離しているかもしれないが、あくまでいち子供から見えたあの頃の特撮周辺の雰囲気記録だ。
- ライダーもウルトラもいなかった平成2年
- ドラマの重力をキャラメルコーンのCMで中和していた平成3年
- 平成4年
- ライダー、円谷、戦隊に死角の無かった平成5年
- 戦隊離れした平成6年
- 永遠の誓い一人勝ちな平成7年〜9年
- 時代をゼロから始める準備をしていた平成10年
- 荒野を渡る風飄々と平成11年
- 20世紀最後の平成12年
ライダーもウルトラもいなかった平成2年
地上波ではライダーもウルトラマンもいない。
テレビマガジンやてれびくん、テレビランドを教科書に過去のヒーローに想いを馳せていた。
母の話では父親がライダー、ウルトラ1期の直撃世代だった為、我が子にアンパンマンをすっ飛ばしていきなり特撮ヒーローを与えたらしい。情操教育の概念イカレてんのか。
ライダーの原体験はブラックの最終回とRXの一話を再編集し、唐突に1号からゼクロスまでのダイジェストが始まるビデオだった。
※後に東映ヒーロークラブというレーベルと判明した
また、レンタルビデオ屋の型落ちソフトで仮面ライダー10巻が我が家にあったのでゲバコンドルとヤモゲラス、ドクガンダー回をアホみたいに見ていた。
ウルトラの原体験は当時BSでやっていたというウルトラマンレオの再放送を録画してくれた父親録画のビデオ。
タイショーの回だった。ウルトラマンというのは優しいんだなぁなんて思った次の回では2対1で弟とアトランタ星人をボコっていた。
また、ゾフィーという偉そうなウルトラマンが丁寧に自分に話しかけてきてこれまでのウルトラマンの活躍を見せてくれるビデオにもどハマりしていた。古館伊知郎の実況でAとゾフィーが戦うシーンがあって、エースはこういう作風なんだ、と勝手に勘違いしていた。ウルトラマンZOFFYというタイトルは後に知った。
自分の大好きなレオがあまりフォーカス当てられていないのが少し寂しかったが、Aを助けに来るゾフィー、テンペラー星人をボコる6兄弟、80を助けに来るユリアンといった戦士たちに心を奪われたのを覚えている。
ウルトラビッグファイトもこの冬の時代を支えてくれた貴重なライブラリ。
パッケージだけで飯が何杯も食えるね!
古今東西の東映ヒーローを集めたビデオも文化財として残しておきたいレベルで記憶している。権利的に難しいんだろうけど是非ブルーレイでソフト化してほしい…
最高にシビれるジャケットだ。。。
ドラマの重力をキャラメルコーンのCMで中和していた平成3年
今思うとなんて重い消費カロリーだ。
毎週かかさず見ていた記憶があるが、いつも心の何処かにライダーを探す自分がいたので、後楽園ゆうえんちのcmでRXが出てくるとテンションが上がっていた。
また、「前作の主人公の帰還」という今でも大好物のシチュエーションはナイトファイヤーによって植えつけられた様に思う。
平成4年
ブライ死す!
ライダー、円谷、戦隊に死角の無かった平成5年
今でも大好きなダイレンジャーは本当によく真似をしたのでリュウレンジャーの名乗りは今でも再現できる。衝撃の最終回含め、自分の中で忘れられないスーパー戦隊だ。
この年、エポックメイキングな出来事が2つあった。
お兄ちゃん!ことZOの銀幕デビューによる、仮面ライダーの復活。※真は本当に怖すぎて序盤でリタイアしていた。
そして退屈から俺を救いに来たエージェント、電光超人グリッドマンによる、円谷系特撮の帰還である。
ZOは1号から数えて20周年。今で考えるとジオウからクウガまでの20年。
そう考えると昭和ライダーがあっという間と捉えるか、平成ライダーが長いと考えるか。
物差しが変わっただけで何とも不思議な気分だ。
ZOは映画館で見たものの、ドラス製怪人が怖すぎて直視できなかった様に記憶している。
それだけに化け物どもをやっつけるシンプルなバッタの戦士がより力強く思えて今でも大好きなライダー。
グリッドマンは主役陣が中学生で発生する事件も町内会規模な為、ガキにはとても親しみやすかった様に思える。
ちなみにこの時期肺炎で入院したことがあった。
親は宿泊できないので代わりに置いていったのがグリッドマンのソフビ。
まだ外泊文化のないクソガキにとって、この小さなハイパーエージェントは夢のヒーローとして心の支えとなった。
戦隊離れした平成6年
仮面ライダーJ。イトーヨーカドーでソフビの購入稟議を母に通した際、「前に買ったでしょこれ」と言われた。それはJじゃない、ZOだ。と訂正をし、なんとか購入に至ったのも良い思い出だ。体の装飾と手の形を比較対象にして熱っぽく語った覚えがある。お店に迷惑だからやめろよ俺。
永遠の誓い一人勝ちな平成7年〜9年
就学と共にライダー冬の時代を迎え、個人的にも特撮ヒーロー冬の時代が到来した。
ゲームやドラゴンボール、ホビーに可処分時間を取られていた様に思う。
ただし、夕飯時に放送していたガイファードだけはかかさず見ていた。
時代をゼロから始める準備をしていた平成10年
もう特撮の畑には戻らない様な気がしていた所、強烈に呼び戻されることになる。
なんとそこにいたのは1号、2号、V3、ライダーマン、エックス。
バンダイベンダー事業部の主幹事業となるHGシリーズの誕生である。
もう二度と会えないかもしれない、そんな焦りもあり、ここから止まった時計の針が再び動き出す。
ほぼ時を同じくしてバンプレストがコンビニキャッチャーやガチャ王といった、ゲームセンター向けのプライズ機を投入。
昔の作品をテーマにした景品の数々を取り扱う事になり、仮面ライダーやウルトラマン、キカイダーやメタルヒーローを景品として現代に蘇らせていた。
今になって思えば当時子供だった大人たちが可処分所得を趣味に使える年代に達したこと、ノスタルジーを売りにしたビジネスが本格的に造られ始めたこと、といったマーケティング背景が揃う過渡期にあった様におもえる。
昭和特撮ヒーローに飢えていた俺はメインターゲットじゃないにも関わらず、数少ない軍資金で仮面ライダーや東映特撮シリーズを買い集めては学習机に並べてニヤニヤしていた。
同級生とダイエーに行った日にはこっそりHGシリーズのライダーやウルトラマンに課金している鬱屈した小学生ライフを送っていたが、本屋でまた奇跡的な邂逅を果たす。
秋田書店の棚で浦安鉄筋家族の新刊を探していた所、たまたま見つけたのが「人造人間キカイダー」。
漫画あんの!?と言う、超基本的な情報すら持ち合わせていなかった小学生はガシャに回す課金分のリソースを漫画に振ることになった。
不幸なことに仮面ライダー以上に映像視聴の機会が少ないキカイダー。ジローの活躍は何故か家にあったVHS6巻のブラックホース、キンイロコウモリ、ダイダイカタツムリ戦だけが確認できたが、それ以降は2002年の東映BBという初期の動画ストリーミングサービスを待つほか無かった。
荒野を渡る風飄々と平成11年
仮面ライダー冬の時代はプライズというシーンから徐々に氷解していく兆しがあった様に思う。
そんな中、唐突に近所の電気屋のチラシに嵐と共にやってきたのはPS版仮面ライダー。
格ゲーのシステムを取り入れた純粋な仮面ライダーのゲームだ。本郷猛や一文字隼人がプレイアブルなだけではなく、怪人はもちろん戦闘員までも使える異常な凝り方だった。
周りの友達がチョコボやらモンスターファームやらをやる中で一人ずっと戦闘員に電光ライダーキックをブチ込みまくっていた。
このゲームがどれくらい売れたのかわからないが、ここら辺りからクウガに向けて着々とライダーを市場にぶつけてどれくらい戦えるか、を調査していたんではないかと思う。この頃まだクウガという存在はなかったにせよ。
20世紀最後の平成12年
特撮の飢えを満たすネタは再びゲームからやってきた。
いつも時間を潰す本屋で見かけた一枚のビラ。
A4用紙いっぱいに配置されているSD頭身の宇宙刑事ギャバン、怪傑ズバット、キカイダー、マン、セブン。
バンプレスト謹製のRPG、スーパーヒーロー作戦だ。
当時長崎屋にあった試遊台では体験版の「蒸着せよ!宇宙刑事ギャバン編」が遊べたので、部活が終わったらアホみたいに通って蒸着シーンを見ていた記憶がある。
発売日前日には眠れないほどワクワクしたが確か2回くらい発売が延期され、ショックでスパロボ完結編Fを買って行こうかとも思ったりしていた。何やってたんだか。
そんなこんなでついにクウガの一報を見ることとなる。
最初に見たのは弟が読んでいた「たのしい幼稚園」。
「なんだこのライダー、知らないやつだ」くらいの認識だったが徐々にこれが新作であるということ、年明けに始まるということが判明していく。
今となってはこの21世紀に切り替わるタイミングこそが「時代が望む時、仮面ライダーは蘇る」という石ノ森章太郎氏の言葉の通り時代が望んだタイミングだったんだな、と思う。
平成も終わり令和となった今、
動画ストリーミング配信スタイルも普及したことでかつての仮面ライダー、ウルトラマン、スーパー戦隊、ゴジラシリーズは昔の特撮ヒーローではなくなった様に思う。
いつでも自分が見たいコンテンツにアクセスし、活躍を見られる理想のUX。
90年代過渡期に血眼になって特撮情報を追っかけた小学生の自分に聞かせたら羨ましすぎて卒倒するんじゃないかと思う。
平成大特撮1989-2019は毎週毎週ライダーやウルトラの新作を享受できる今という時代はとても恵まれているということをなんだかぼんやり思わされる、そんなきっかけになった本だった。
実写版ライオンキングの感想。
フルCGを実写版と言うのか…?というのは野暮だなというくらい実写感がすごい。
本当に凄い。
ナショナルジオグラフィックを見せられているかのようにサイはサイだし、キリンはキリンだし、アンテロープはアンテロープだった。
これを虚構と判別するのは「こんな抜群のタイミングで動物がカメラワークに合わせて決めポーズとらないよな」というところくらいで、「これ実は動物が暮らしてるとこ隠し撮りしたんですよ」と言われても信じてしまうレベルだった。
ただ、あまりにリアルすぎて、喋ると嘘が目立つ。
というか生物としての口の周りの形状と、言葉を話す為の口の動きがあってない感じが凄いして、ちょい前に流行った、ペットに喋らせるアプリみたいだなぁという感が拭えなかった。
音楽の素晴らしさやストーリーの面白さは約束されていたものだけど、それってアニメ版での手柄なんだよね。
果たしてこの実写版ならではの功績というのは何だったのか、甚だ疑問が残る。
絶対無理だけど、出てくる動物が誰も話さなくて鳴き声とかジェスチャーだけで進行する映画にしても面白そうだ。
でも本当にビジュアルの作り込みは半端なくて、ただ風景を見せられるだけで感動して見入ってしまうレベルだった。
あと今回IMAX字幕で見たんだけど、
ムファサの英語の声が大和田伸也に似てて役者ってすげぇなと思った。
今日チャーハン食いてえなって思って、
バーミヤン行ってバーミヤンチャーハン頼んでバーミヤンチャーハン出てきてバーミヤンチャーハンめっちゃ美味しかったって感じの映画だった。
PS4 MARVELスパイダーマンの感想。大いなる力には大いなる責任が伴う。大いなるゲームには大いなるUXが伴う。
デトロイトビカムヒューマンに並んで「PS4買って良かった!」と思えるタイトルだった。
最近見た記事では過去に発売されたスーパーヒーローのゲームで最も売れたタイトルらしい。
『Marvel's Spider-Man』は発売から3日間で330万本以上を売り上げ、史上最速で売り上げたPlayStation専用タイトルという快挙も成し遂げている。
こりゃすごい!
スーパーヒーローのゲームという定義がいささか曖昧な気がするけど。
このランキングにスーパーヒーロー作戦は入っているのだろうか。
仮面ライダー俱楽部は何位だったんだろう。
人に説明するのに最も端的にわかりやすいのが「グランドセフトオート・スパイダーマン風味」だ。
オープンワールドで再現されたニューヨークを舞台に、やすらぎ捨てて全てを捨てて悪を追って空駆けるゲーム。
このゲームに出て来るピーター・パーカーはこれまで描かれていた様々なピーターの最大公約数的なキャラになっており、ティーンエイジャーだった旧作とは異なり既に20歳超えたベテラン戦士となっている。
・・・んだけど、いやだからこそ別に過去作知らなくても十分楽しめる様にうまく作られている。
高校時代からかれこれ8年も戦っているのでそれなりに警察からも支持者や協力者がいたりして、ふとしたコミュニケーションがが気持ち良い。
過去に戦った敵キャラもそれなりに説明されるので、その辺りの配分は上手いなぁと感心した。
先にアレだった所だけ並べると、彼女のMJを操作するパートが鬱陶しかったり、言語設定が日本語吹き替えしかなかったりといった。不満もちょっとある。けどそれ以上に面白さが上回る。
名作たらしめるポイント・簡単操作で地獄からの使者ムーブ
良いゲームとは移動するだけで楽しくなるゲームだ。
大神やゼルダの伝説ブレスオブザワイルドといった大作の共通点はいずれも移動するだけで楽しいゲームということだった。
御多分に洩れずこのスパイダーマンも移動するだけで楽しい。広大に広がるニューヨークを、ローディングなしでウェブを使って動き回るこの自由度と爽快感。
そしてそれをより効果的にする街の作り込み。
朝、昼、夕方、夜と違った表情を見せる街々にえも言われぬ感動を覚える。
まるで観光に来ている様な気にさえさせるディテールだ。
そんな抜群のロケーションで繰り広げられるスパイディアクションのUXは本質的な心地よさを提供してくれる。
簡単操作でキレの良いアクションを展開しつつ、連打だけではクリアできない仕様。
これもまたスパイダーマンらしさと言える。
ハルクだったらひたすら力押しの連打ゲーで良いが我らがヒーロー、スパイダーマンの強さは知恵と機転。
スパイダーセンス(第六感)を応用したヒットアンドアウェイ、時には周りの道具も使って戦うスタイルが楽しめる様に本ゲームでは最適化されている。
ビルの谷間の暗闇にキラリと光る怒りの目でステルスアクションするも良し、正面から突入してボコるのも良し。プレイヤーに裁量を任せて奥深いスパイディアクションが楽しめる。
大いなる力には大いなる責任が伴う。大いなるスーツには大いなる機能が伴う
スーツが最高にゴキゲンだ。
スパイダーマンと言えば作品ごとに異なるスーツが名物。
描かれるバースごとにデザインがマイナーチェンジされているが、このゲームではそれぞれのスーツに、デザインの差以外に固有のスキルがセッティングされているのでアンロックさせていく動機が発生する。攻撃にスタン属性がつく、とか銃弾を跳ね返す、とかね。
このゲームでは当初一番トラディショナルなスーツから始まるのだが、物語の進行とともに様々なスーツが解放される。
パッケージにもなってるこの「アドバンスドスーツ」がめちゃくちゃカッコいい。
無料アップデートで映画のスーツも公開されている。
アラサーには思い入れ深いサム・ライミ作品のスパイダーマンや、
もちろんゲームオリジナルのスーツもたくさんある。
こんな感じで各々の思い入れの 深い理想のスパイダーマンで楽しむことができる。
ちなみに設定したスーツはちゃんと劇中のムービーパートでも再現される。
どんなオーバーテクノロジーだよ。
俺たちにはスパイダーマンがいる、スパイダーマンがある。
休日の過ごし方にPS4がある、マーベルスパイダーマンがある生活を提案したい。
ゲーム離れが叫ばれて久しいが、こんなにコスパの良いQOL向上スキームがあるか?とさえ思う。たかがゲームだがされどゲーム。創られたコンテンツフィクションだが、その時間、その空間で遊んだ事は人生において確かな事実になる。
このゲームは、日常に疲れたらふらっとニューヨークにログインして自由に跳びまわれる、という我々に与えられた選択肢だ。
休日に疲れた顔して気絶してるビジネスマンよ、このゲームで駆ける喜びを知ってくれ。
摩天楼に想いを馳せよう。親愛なる隣人と。
令和初のスーパーコンボムービー、ワイルドスピードの感想
自動車は移動手段の為のプロダクトではなく兵器だという事を改めて思い出させられるワイスピシリーズ。
今作はスピンオフだよ!とわざわざ公式からお達しがあるくらいマジでこれまでの話と関係がない。なのでどうか安心して見てほしい。
過去に一気見した感想はこちら。
さてこのスーパーコンボ。
できれば映画館にピザとコーラをUBEREATSして、テンション高い外人たちと「イェーーイ!!」とか言いながらハイタッチして観たい映画だった。
ドゥエイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムが暴れまくるのを見たい、そんな小学生の願望が実現されたかの様な最強のお子様ランチ映画。
制作者サイドはもうワイスピの5あたりでこのスピンオフやりたかったんじゃないかと思う。
「予想外の結末」とか、「キャスティングの話題性」に偏重しがちな昨今だからこそワイスピの普遍的なド直球さに打ちのめされたい、という世間のニーズに合わせて、毛髪量の少なさと筋肉量の多さが映画の面白さに直結するという勝利の方程式を確立している快作。
ハゲがド迫力に悪を倒す!以上!寝ろ!って感じが最高だった。一応ワイスピの冠があるから車要素も出てくるんだけど、レースとかじゃなくて筋肉の一部として使っている。何言ってるかわからないと思うけど、もうそれとしか言い表せない。
ただ、ワイスピシリーズのもう一つ大切な軸である「行動動機が家族」というテーマもきちんと形成されている。
なのでシリーズもののスピンオフとしてもちゃんと機能しているのでミクロな動機でマクロに救う、という伝統もちゃんとクリアしてる。
邦題の「スーパーコンボ」も最高にご機嫌だ。これほど偏差値の低い日本語、なかなか思いつかないよな、と感心してしまった。
ちなみに原題は「ホブス&ショウ」で、作中の彼らの名前がつく。「トムとジェリー」みたいなもんなんだが、これだと過去シリーズを観てない人にちょっとわかりにくいかも、と思う。
そういう意味ではキャラ名を使った原題よりも邦題の「スーパーコンボ」がめちゃくちゃしっくりくるんだ。
よく原題から邦題へのローカライズ下手くそ問題があるけど、スーパーコンボは「SisterAct」→「天使にラブソングを」や、「Enchanted」→「魔法にかけられて」や、「Frozen」→「アナと雪の女王」並みに良い翻訳だ。一言で日本人が直感的に作品を思い起こせられるのだから。
映画は見る人のその時の感情によって見え方が異なるコンテンツだ。その中にあって喜怒哀楽すべての感情を超越してブン殴ってくるフィジカルモンスタームービーだった。
夏が終わるまでに後2回は見たい。