もっと楽しく、もっと遊びやすくなったSwitch版ドラクエ11S無料体験版の感想。
2017年、ドラクエで一番好きだったⅣを華麗にぶち抜きマイフェイバリットドラクエとなったドラクエ11。
これまでのドラクエが大好きであればあるほどその愛情を変数として掛け算的に面白くさせる構成。
堀井雄二、すぎやまこういち、鳥山明の「これがドラクエだ!見たか!」というビッグ3によるミナデインに往年ファンはぶち殺されたんではないでしょうか。
当時のキモい感想はこちら※ガッツりネタバレあり
さてそんなドラゴンクエスト11が新要素を引っさげてSwitch版として帰ってきます。
10時間分遊べる!という煽りで体験版まで用意されていて、これはもう確実にリピーターを狙ってる事は明らか。
実際にやってみたらプレイ時間は4時間弱くらいでした。
といってもダンジョン3つ分、パーティ4人集まるまでなのでくらいなので相当長いです。
「PS4のドラクエ11面白かっただろ?もっと面白くしたからよ、寄ってけや」という製作陣による無言の自信の表れがひしひしと伝わります。任天堂の据え置きハードでナンバリングタイトルが出来るのはWiiUの10があったけど、トラディショナルなドラクエとしてはこのSwitch版が1995年のスーファミ版6以来、実に24年ぶりの凱旋ですよ。
2017年当時世間を賑わせた、「PS4版では3Dモード、3DSでは2Dドットモード」というハードごとに用意された異なるデザイン、今回のSwitch版ではなんと任意で切り替えられるそう。
PS4版3Dはあれはあれでとても素晴らしかったけど、従来のドット絵でもやってみたいと思っていたのでこれはとても楽しみな追加機能です。
年のせいか携帯機でのプレイが年々キツくなってきてデカい画面でやりたいのですよ。
で、今回ざっとプレイした中で特にグッときたところを纏めました。
プレイ済みユーザーにももう一度ロトゼタシアを旅したくなるきっかけが満載ですわ。
ポイント1:みんなしゃべる!
PS4版を初めてプレイした時に感心したのは登場人物がセリフを話す時に、実際の声ではなく「ポロポロ」と昔ながらのSEがなることでした。
3Dモデルで活き活きと躍動するキャラクター達がしゃべる時だけ「ポロポロポロポロ」と口の動きに合わせて音を出します。
しかもこれ感情で若干音階が違ったりするので、よくこの音だけで感情表現したなぁと感心しました。
なので、Switch版で声優が声を当てると発表された時に動揺したのも事実です。
しかし実際にプレイするとこの喋るキャラというのがストーリーに違和感なく浸透します。
その上に戦闘中もセリフが走り、これはこれでありだな!とすぐに違和感が心地よさに変わりました。ホイミかけたら「助かったぜ!」とか言ってくれる。普段仕事で人に有り難がられる事がないので嬉しい。
知ってる作品なのに何だか新しい体験。
あのキャラクターはどんな声で、間で話すんだろう、など一度クリアしているからこそ気になる仕掛けになっています。
ポイント2:ダッシュできる!
PS4版ではこれまでのドラクエよりもフィールドが広大で、移動が大変でした。
それを物語の中の設定にあわせて上手いことシステム的に解消したのが乗馬システムでした。
ポケモンで言う所のチャリですね。
ところが乗馬システムにも弱点があり、当然馬が入ってこられない狭い洞窟の中では歩かなくてはいけません。
もちろんフィールドだけでなく各ダンジョン内も複雑にかつ広大に作られているため、移動には難儀します。
しかし今回のSwitch版ではダッシュ機能が追加されています。
ドラクエの滞在時間を伸ばす要因は
・移動時間
・レベルあげ時間
・カジノ
にあります。
で、必ずしもかかった時間分ゲームが楽しくなるというものではなくて、ゲームの本質的な面白さを享受するのに削れる部分というのがゲーム内の移動時間だと思うんですね。ただでさえ可処分時間の取り合いになってる昨今のゲーム事情を鑑みると、このダッシュ機能追加はとても良いUX改善だと思いました。
これ以外にもPS4版からシンボルエンカウント制にすることで余計な殺生機会を減らして他の事に時間を当てられるようになってるし、明らかにレベルを上げやすくなる様なポイントが用意されていました。また、フィールド上に点在するセーブポイントの数もこれまでのドラクエにはなかった特徴です。
これらプレイヤー側の事情をゲームデザインと高いレベルで共生させる設計がなされているので、時間のない現代人に最適化された遊びやすいドラクエなんですよ11って。
ポイント3:戦闘スピードをマッハにできる
これも時間に関する改善なんですが、戦闘中の待機時間とか攻撃スピードといった演出部分を爆速にできる設定があります。
呪文とか太刀筋が速くなるので初プレイの人には情緒が無くなってしまう為あまりお勧め出来ないのですが、一回やった人とか、あるいは雑魚戦ではこの機能が重宝します。
特にレベル上げの為の戦闘がめちゃくちゃ楽にサクサク出来る様になるので、すっごい遊び易くなっています。
早く続きがやりたくて仕方ないとこで終わる体験版
今回の体験版では序盤の山場となる、とあるシーンまでがプレイアブルとなっており、
「さぁこっからガンガンいくぜ!」の所で終わるんです。
普通は体験版提供の段階でここまでプレイアブル領域には完成度的な点で出来ないし、出来たとしても購入前にそこまで遊ばせることに制作側は抵抗があるはずです。
しかしそこは既にマルチプラットフォームで展開しているタイトル。
動かせる素材はあるし発売後2年は経ってるのでネタバレだなんだと、やいやい言う輩もいません。
時差がある移植版を出す時の見本のような体験版戦略でした。
上に書いた以外にも追加シナリオがあったり、音楽がオーケストラ版になってたり、フィールドでパーティみんなが走ってついてくる、とかちょっとした事だけど嬉しい新要素が待っているので体感値ではファミコン版ドラクエ3からSFC版ドラクエ3くらいの進化なんじゃないかと思います。
名作ドラクエ11がもっと遊びやすくアップデートされてるのでプレイ済みのユーザーもまずは無料版をダウンロードしちゃってブレス・オブ・ザ・ロトゼタシアを楽しめばいいと思います。
僕は寝ます。