今あえてワイルドスピードを全シリーズ走破してみる X2
見ていて思ったのは、ワイスピはエンタメの最大公約数を実直にスケールさせていくというアプローチで進化しているんだなあということ。
後から知ったけどワイルドスピードって、
1,2,3のストリートレース編(1,X2,X3)
4,5のマックス編(MAX,MEGAMAX)
6,7のミッション編(ユーロミッション,スカイミッション)
8,9,10のブレイク編(仮称)
みたいな感じでくくられるんだね多分。それぞれのくくりで物語のスケールも近しい。
今回は6,7,8を走破し、最新作に追いつく。
※8/4追記 最新作を見た
ワイルドスピード ユーロミッション
シリーズ6作目。
ワイスピはちゃんと前作からのインターミッションを丁寧に描くので、
前作と次作の間に何があったかが割と捉え易くなっている。
MEGAMAXのラストで得た報酬で優雅に過ごしていたファミリー達。
4作目のMAXで死んだ筈のレティが生きてるっぽい上にどうやら犯罪に加担してるっぽいという所から恋人のドム、レティが死ぬきっかけを作ってしまったブライアンが巻き込まれていく。
世界へ散り散りになっていたファミリーがドムの電話一本で今の居心地の良い環境を捨てて集まるのが最高にかっこいい。
ユーロミッションというだけあってこれまでよりも広範囲でゴキゲンなロケーションが続くのが目の保養になる。
レティに近づく為にドムが参加するストリートレースで国が変わっても相変わらず踊ってる姉ちゃん達がなんか面白かった。
というかストリートレースってそんなどの国でもやってんのかね。
あとこれまで幾度となく人間離れした耐久力を誇っていたヴィンディーゼルが人間を辞めてた。
カーアクションもシリーズを追う毎にエスカレートしていくが戦車が出て来るとは。
カーアクションだけでなく、白兵戦も今回は見所がたくさんあるので2時間10分があっちう間に過ぎていく。
ルーク・エヴァンズ演じるオーウェン・ショウがめちゃくちゃエロくてカッコいい。
そしてエンディングで明かされるハンの死にまつわる衝撃の事実。
なるほど、X3をこう繋げてきたか。。。
ワイルドスピード スカイミッション
ポール・ウォーカーの遺作となってしまったと後から知った。
ドムが描き続けたファミリーが、レティの記憶と共に確かなものとなる記念碑的な作品に思えた。
ドム一家に対するは、我らがステイサム扮するデッカード・ショウ。
ステイサムの登場でますます作品内毛髪量比率が低くなる一方だがそれに反比例して面白くなるのでハゲがいっぱい出る映画は面白い、という非常に短絡的な仮説に陥ってしまいそう。
物語冒頭から、弟を看護する病院施設を襲撃し、狩る側としての存在感を遺憾なく発揮するデッカード。
この男もまたファミリー(弟)が行動動機となっており、ドムの行動原理と同じなんだね。
力のホブス(ドゥエインジョンソン)と技のデッカードというとても分かり易い特徴付けられた二人の格闘は、今日のアクション映画における最高潮のエンタメといっても差し支えないだろう。
「あれ、これ何の映画だったっけ?」なんて山路和弘と小山力也の応酬を聞いていたら
どうでもよくなるくらい迫力と画力でバックドロップされたのであった。
物語序盤でホブスを退場させたのは英断だ。あいつ強すぎるからな。
今作といい前作といい、車をクッション代わりに使うのはほんとこのシリーズくらい。
ワイルドスピードシリーズは毎回舞台を有名な観光地や、インスタ映えする様なスポットで、「あーこんなとこでかっけー車走らせたらかっけーだろうなー」と思うことを映像化するのに定評があるが、本作ではサウジの超高層ビルでそれをやるから凄い。
アブダビを舞台に展開するゴッドアイ奪還計画は画面の豪華さに注意をとられがちだけど、ちゃんとファミリーがバックグラウンドを活かし、それぞれの役割を全うしていることに感涙する。
あんなひとかどのちゃちな窃盗団やってた兄ちゃん達が世界の脅威にあらがうことになるなんて。
これまでのシリーズを積み重ねて、今迄あったこと、学んだことを加味したイシューを行うので説得力が違う。
そうそう、ステイサムと共に本作から登場するカートラッセル演じるMr.ノーバディがまたクセ者。
うさんくさいお偉方で心中はどう思ってるんだか底がしれないクレバーとユーモアに隠れた狂気が魅力的な男だ。
画面から聞こえるのは大塚芳忠ボイス!!
こういう発見があるから吹き替えは辞められないぜ!
カーアクションあり、対人の格闘アクションありで、これまでの作品を知っている人から、初めてスカイミッションでワイスピを知った人まで、ムラなく満足させる作品であったように思う。
ここで終わりでもワイルドスピードは伝説のシリーズ映画として映画史に残ったことだろう。次回作の構想はこの段階であったんだろうか。ほんとのところどうなんだろう。
エピローグは号泣を通り越して嗚咽。まじで一人で見ていて良かった。
辛いけどとっても美しいエンディングだった。ありがとう、ブライアンオコナー。
ワイルドスピード アイスブレイク
どうやらここから3部作が最終章らしい。前作のしめやかさから一点してカラッとした
キューバを舞台に、冒頭から原点に戻った様なストリートレース。
大切な車を賭けてストリートレースする展開、1のブライアンを思い出す。
全編を通して、直近作品で見せたワールドワイドかつ被害規模が甚大、もはや車必要ある?とさえ思わされる展開と、ドムのファミリー愛につけ込まれた展開もしっかり描かれている。
自分の周りでは過去作を見ずにアイスブレイクだけを観た人が多数おり、総じて満足度が高かったことから「旧作へのリスペクトもないエンタメへ振り切った映画かな?」なんて、一瞬でも思った自分をスパナでぶん殴ってやりたい。
こいつはご新規への導入ハードルを下げつつ、これまでの物語を知っているユーザへの愛情もたっぷりぶち込んだ最高にぶち上がる映画だった。ある意味スカイミッションよりも、「これから」に向けた作りで、これまでを知らなくても十分楽しめる様になっていたんじゃないかしら。
俺がワイスピに感じていたリスペクトは、
「物語はフィクションだけど、その表現(カーアクション)に対するリアル」であったことを再認識させられた。
「自動運転の車をハッキングして街に降らせる」というト書きは創り物なれど、
それをマジで実写(リアル)でやってのける、「嘘が本当にされた映像」は人類未踏の映像だった。
物語はドムがファミリーを裏切る、という掟破りのメインストーリーで、
その為に招集されるファミリーと、最凶の刺客。
「しょっぱなからかませにされる前作の仇敵」というとても美味しいポジションのステイサム。山路和弘ボイスでドゥエインとディスり合いジョークを言うシーンはニヤニヤが止まらないので、未見の方は是非吹き替えでも楽しんで頂きたい。
「赤ちゃんをあやしながら粛々と敵チームをボコるステイサム」という、トランスポーターでもメカニックでも無かった2.5枚目なステイサムも見所。
いかん、ステイサムのことばっか書いてしまった。
アイスブレイクはシリーズ史上最もシリアスとバカバカしいギャグパートの振れ幅が広く、「俺の情緒どうなってんだ」ってくらい爆笑・緊迫・号泣の連続になっていたように思う。
笑いの部分はより大衆的に「みんなが笑える映像」になっていつつ、キメのシーンでは「誰もがかっこいいと思える映像」になっていて、そうかと思えばシリーズを追い続けてきたファミリーにもブライアンを感じさせてくれる、過去シリーズを大切にしている演出が光るので、新規もファミリーも満足度の高い作品だったんじゃないかな。
終盤で敵ボスを取り逃がしているのでおそらく次回作でもまた現れるんだろうな。
3部作というくらいだからきっと氷山の一角なんだろう。
ちなみにアイスブレイクでもエピローグで号泣した。
絶対子供の名前それにするだろうなってもう序盤でわかってたんだけど。
泣くだろあれは。ふざけんなよ。
これでようやく最新作まで追いつけた。
ワイルドスピードは本当に映画の中みたいに
シリーズを追いかければ追いかけるほどニトロ噴射の様に面白くなっていくので
マラソンが面白くて仕方なかった。
今年の夏にはホブスとショウのサイドストーリーがやるらしい。
敵役はイドリス・エルバ 。パシリムのペントコストやマイティー・ソーのヘイルダムでおなじみのナイスミドル。
カレーハンバーグオムライス並みのボリュームでもはや車がスクリーンに映る時間が心配でならないがとても楽しみだ。
今、俺にはワイスピロスが訪れている。
ドムが、レティが、ホブスが、ローマンが、テズが、ミアが、そしてブライアンが心中に去来する。
そう、俺もまたファミリーの一人になっていたんだ。食事前はお祈りするぜ今度から。
ということでいたずらにワイスピを見始めたら超キモいレベルでどハマりして、
実の家族以外にファミリーが増えたという話でした。
みんなもワイスピ見ようぜ!