ジゴクジジイのジゴックス

バカの頭の中を屁理屈と言葉のレトリックでしたためた虫下しコンテンツをご賞味あれ。WordPressで元々書いてた記事をインポートしたので所々バグってます。ごめんなさい。

(一部バレあり)ゴジラKOM感想|見たいもの全部のせ、無人在来線爆弾なみの勢いで魅せる神話の域に達したやりすぎファイトクラブ

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 令和初ゴジラ見てきました。制作はダークナイトシリーズやらパシフィック・リムやら、オタク達の心をわしづかむ事に定評のあるレジェンダリー・ピクチャーズ

だいじょうぶ!レジェンダリーの映画だよ!」とばかりに絶大な信頼がある為、

俺たちが見たい場面が盛りだくさんであることははじめから約束されていたようなものだったが、それ故に予告の段階から「わかってる画」の連発で、否が応でも期待は高まる一方でした。

 フタを開けると設けられた期待ハードルをゆうゆうと飛び越えるとんでもない怪作。

 「これって実質お金と手間をかけたファイナルウォーズだよね!!」と内心ワクワクしながら心の中で小躍りを続けっぱなしの130分でした。 

 神々しさを纏った怪獣の登場シーンや、今までスーツアクションでは見られなかった、「生物の取っ組み合い」を海で、空で、陸でド派手にぶっ放す怒濤の展開。

そしてそれらを最大限引き立てるアレンジの効いた各テーマ曲。

ゴジラだーいすきな人が考える「俺はこういうのが見たかったんだぜ!」っていう最高の怪獣映画であることに異論は無いんじゃないでしょうか。

 一方で人類勢はケン芹沢博士を筆頭に割と真顔でサイコな人達がわんさかいてシンゴジラで見られた人間ドラマとは別の楽しさがありました。誰か止めろよ!と85回くらいおもいましたがそのイカジャッジメントの先の展開が見たくてワクワクが止まらなかったです。

 自分は昭和ゴジラに関しては初代〜X星人が出て来るやつ、ヘドラ、少年ライダー隊のナオキが出て来るやつ、くらいしか見ていないのですが、それでも直感的にグッと来る描写は多く、普遍的に人類が「かっこいい・・・」と思わされる記号が盛りだくさんでした。

人類と怪獣が共闘する理由がとても良い

 世代的には平成VSシリーズど真ん中世代な為、人類の味方であるゴジラが多かった印象ですが、その共闘理由にあんまり納得いってた覚えは無く、大人になってからみてもメタ的な理由以外で腹落ちする納得材料がありませんでした。

 多少強引ではあるもののそこに一つの答えを本作では用意されていました。

 前作にあたる「キングコング髑髏島の巨神」ではどうにか人間にも勝ち目がありそうなサイズ感の為に、怪獣映画というよりはジュラシックパーク的なモンスターパニック映画としての楽しみ方が出来ました。

 一方今回のゴジラKOMでは怪獣と人類の関係性は完全に神とそれを崇める対象という対比になっています。

 これまでのシリーズでゴジラを善玉で描いていた映画では、前述の通り人類の明確な味方と表現されていたものは少なく、共通の敵がいるからなし崩し的に共闘していました。

 しかしこの「神とそれを崇める民」という関係性を設定することで地球外来の敵が地球を脅かす時に防衛システムとして共闘する道理ができるんですよね。

 「人類の味方」ではなく「地球の味方」。

地球が人類を生態系の一部として認めた為に駆逐対象から外れ、キングギドラ外来種なのでやっつける、という構図はとても納得感がありました。

 

怪獣映画の難しさ

 怪獣映画未見の視聴者にはやや理解しがたい所がいくつかあった模様。

怪獣映画では「シン・ゴジラ」、「キングコング髑髏島の巨神」しか見ていない友人はどうも乗り切れなかった様子で、「感情をどう持って行っていいかわからなかった」と言っていました。

要素が渋滞していた為に整理がつかず、もっと人間ドラマを増やしてほしかったとのこと。

これは難しいとこで、どの層を楽しませる映画か、によってここのバランスの取り方が変わるなと。

 2014年のGODZILLAはこれまでの個体よりもだいぶでかく、その巨体の割に俊敏に動くので、一挙手一投足での迫力ある画がたまらなく、グッとくるシーンはあったものの、いかんせん人間ドラマのパートが冗長で、総評としては評価が難しかったと記憶しています。

 そこへ行くと今回のゴジラKOMは怪獣映画ファンを120%楽しませるという点において、時間配分はパーフェクトだったと思います。

 しかし一般的なエンタメとして楽しみに来ている非怪獣映画ユーザには大味に見えてしまっていた様です。

 大多数に向けようとすると人間側の丁寧な描写が必要となり、それは必ずしも怪獣映画ファンの望むものではないのかも、、、なんですよね。

 とはいえファンにウケるものばかり作っても映画を見てくれる人の総数が減ってしまうのでコンテンツとして先細ってしまう、このジレンマは永遠の命題なのかな、と思ったりします。

特撮枠でキングオブムービーなるか

 昨日公開でまだ国内の興行収入情報はよくわかりませんが、初日はIMAX3Dでほぼ深夜上映以外は埋まっていたので、走り出しは上々のようです。

 イカれ集団が「緑と青空をか〜えせ〜」的な思想で世界中に眠る怪獣達を叩き起こし、その中にモンスターゼロことギドラ先生がいたことで人類とのガチンコファイトクラブが勃発。その後なんだかんだあって人類のツケをゴジラが払わされる羽目になるという流れがとてもテンポ良く、モンスターアクション映画としても一般ウケすると信じております。

 今は割と冷静に解釈できましたが、みてるときは「かっけー!でけー!いけー!ぶっころせー!」以外の語彙が死んでいたので少年少女に強制的に戻される映画マジックにかけられてました。

 2020年(来年じゃん!)に「ゴジラVSキングコング」公開が予告されていたり、本編でもモンスターバース拡張に向けた伏線が沢山張られていたので、これからの展開に期待が高まります。

 パシフィックリムを初めて映画館でみた時に「これはすごいものをみている!この規模の特撮!なにこれ!まじでありがとう!!」と度肝を抜かれた記憶は一生忘れる事はありません。今回もそれに匹敵する、映画界に特撮ってこんなにすごいんだぜ!と殴り込みをかける様な作品でした。

 どうか変なタイミングでリブートがかからないよう、MCUに続いて映画史に燦然と輝くKOM(キングオブムービー)シリーズになって欲しいなといち特撮ファンとして切に願います。

 

でけぇマンモス、お前だれだよ!