岡崎に捧ぐや無慈悲な8bitの漫画家山本さほ先生のトークショーに行った話
"このマンガがすごい!2016"にノミネートされ、アラサー世代を席巻した90年代アンソロジー作品「岡崎に捧ぐ」。 山本さほ先生原作で現在はスペリオールに連載されています。
色々と共通項があって個人的に連載前から勝手に追っかけていた作品で、 縁あって何と講演会に参加することになりました。わーーい。持つべき者は友人と有価証券ですね。
岡崎に捧ぐって?
著者である山本さほ氏が親友の結婚という節目で思い立って書き始めたマンガで、著者の小学校時代から社会人になってからの様々な出来事が面白おかしく、時に切なく、切り取って物語になっているマンガです。
小学校の時に岩手から神奈川へ転校してきて友達になった「岡崎さん」という友人と過ごした日々が時にリアルに時に詩的に表現されており、連載当初はウェブサービスのnoteに不定期連載されていましたが、徐々に口コミで広がり破格のPVをたたき出し、しまいにはお金のにおいを嗅ぎ付けた小学館に吸収され、今ではスペリオールでの看板作品になっています。
個人的にはこの作品での境遇や出て来る舞台、世代がめちゃくちゃ近い為にまるで自分事のように思えてシンクロしてしまう為、その一挙手一投足に目が離せないのです。
思えば岡崎に捧ぐ、というか山本さほ先生を最初に知ったのはコロコロアニキの2号に掲載していた"コロコロ時代 ぼくらの一日"でした。
これまでの懐古コンテンツは70~80年代が多く、どこか他人事だったのだがこの作品では90年代をコロコロと一緒に過ごしたモロに同世代がメインで、一気に引きこまれたのを強烈に覚えています。
そこからあれよあれよとnoteやTwitterのマンガに引き寄せられたのでした。
※コロコロ時代 ぼくらの一日は岡崎に捧ぐ1巻の巻末に掲載されていますので未読の方は是非読んでください。
◆コロコロアニキ2号
※Kindleであるのか!!いいなぁかさばらなくて。
何故岡崎に捧ぐは魅力的なのか
ずばり"岡崎に捧ぐ"って今を生きるアラサーにとっての「ちびまる子ちゃん」なんですね。 山本さほ氏のフィルター越しに描かれる独特なクラスメートの描写に「ああ、いたいたこういう奴」と思わず膝を打ち、「流行った流行った!」と流行した文化に想いを馳せるタイムマシン的な実家的な心地よさを感じるのです。
こういった誰しも少年少女時代に記録された楽しく儚く、時にキレイ事じゃない大人の都合もひっくるめたメモリーをくすぐる様な描写が絶妙に上手く、それが最大の魅力となっているんではないかと思います。 世が世なら日曜6時から「さあみんな集まって!岡崎に捧ぐが始まるよ!」となってもおかしくないわけですよ。
それは飛躍しすぎだろう(CV.キートン山田)
山本さほ先生の講演会 当日の様子
場所は横浜市青葉区の区民センターで行われ、会場は厳正な抽選によって選ばれた60名ほどの山さほフリークが格納されていました。
当日は人身事故で先生が1.5時間ほど遅れて到着するというアクシデントがありましたが無事スタート。 司会のマダムがわざわざ先生の現最寄り駅を全体告知してしまうといったコンプラ上10,000%アウトなアクシデントも起きつつ、和やかに進みました。
普段マスコミには出ないという山本先生。 印象は、、、、
マンガのまんまだ!!!
マンガで描かれるイメージは過不足なくデフォルメされていたんだなと度肝を抜かれました。。。さすがです。 もちろん撮影は御法度なので写真は撮っていませんが、絵のまんまそのまんまといった風体でした。
企画としてはマンガ家になってからの変化や昔からマンガを書いていたのか、といったアウトラインをなぞるトークショーから始まり、特に盛り上がったのは劇中に登場するロケ地のクイズ。
山本さほ先生の作品にはまるで空間を切り取ったかの様に緑区〜青葉区の様々な土地が描写されます。
その絵をスクリーンに移し、それがどこかを当てるという狂気じみたクイズが行われました。
こういうのね
挙手制でマイクを回されて回答するタイプのクイズなんですが、これが脅威の90%正答。
あんたらどんだけ地元と山さほ作品が好きなんだよと心の中で突っ込みつつ、知っている土地が表示されると胸の鼓動を抑えられません。
トークショーの後はサプライズで山本先生のサイン会。 万が一を考えて単行本持ってきてよかったぜ!と思ったら参加者ほぼ全員持参。長蛇の列。 だよね。
知ってる。
冷静を装いつつ最後尾まで待ってついに対面。
二次元で描かれていた人の中の人が目の前にいる不思議な感じに苛まれつつ、 地元トークをしてサインをしてもらいました。 こりゃ家宝やで。
これからも90年代に義務教育を受けて過ごしたアニキ、アネキたちのオアシスになるようなマンガを書き続けてほしいなと思いましたとさ。
おわりでーす。