キン肉マンスタンプラリーの話
23世紀型アナーキーお遍路さんことJRスタンプラリー、今年は63駅のキン肉マン。
ドラゴンボールですごく大変だったので絶対やるもんかと思っていたが、お遍路さんやるには四国は遠すぎるし、何も考えないでぼーっとする時間も必要だと自分に嘘をついて気づいたら参加していた。
途中からスマホの電源が切れたので本当に本読むか寝るかキン肉マンボに出てくる必殺技を思い出すくらいしかできない状況というのが新鮮。
それぞれ初登場時ぐらいのスタンプデザインになってるのがとても良い。
スタンプが増えていくのと反比例して自分の徳がどんどん下がっていく感じがso goodね。
さて、JRのスタンプラリーは、
⑴一筆書きではまわれない
⑵羽田空港、取手駅、赤羽、西荻窪など、トリッキーに遠距離なスポットがある
⑶後半になるにつれてモチベーションが地獄下がる
⑷けど一日で全部回る
という制約と自分ルールがあるので、それらを加味して進めることがとても重要。
まずはフリーパスを買う。
AM11時に始めたこの旅は蒲田からスタート。
分岐する浜松町まで山手線をなぞる。
いきなり悪魔将軍で幸先が良い。
スタンプラリーの各駅ごとの台は毎回凝っていて、これ自体が一つの楽しみだったりする。
大森、大井町、品川、田町、浜松町でそれぞれフィッシャーズ、カニベース、マンリキ、バッファローマン、アタル兄さんをゲット。
浜松町で山手線から外れ、モノレールに乗り換え。天王洲アイル➡︎羽田空港へ。
余談だが天王洲アイルは朝ランニングするコースに入っているので、わざわざ電車でくることによる罪悪感というかむず痒さというか、「本気出せばここから歩いて帰れるんだからな、なめんなよ」という、土地に対する被害妄想から来る謎のマウント姿勢をとるのが不思議だ。なにあれ。
空港だからスカイマンってのはわかるんだけど、あんなに面倒な思いをして来たのでもうちょっと花形の超人が良かったよ。
また踵を返して浜松町から新橋、有楽町、東京駅。
それぞれウララァー、オメガマン(弟)、キン肉マングレートをゲット。
さぁ問題は新日本橋である。
この駅だけ唯一コースから外れているので、どこかのついでというわけにはいかない。
神田から歩くか、横須賀線で東京駅から一駅乗り継ぐか。
神田は取手駅から戻って来たときに行こうと考えていたので新日本橋へは横須賀線で東京から一駅乗り継ぐことにした。
新日本橋に着き、長い長い階段を上るといたのはヨサク。
ヨサクである。
ロッキー見て影響受けてキン肉マンにボクシングを教えようとしたヨサク。
ネッシーを見たと言い張るヨサク。
初期の五分刈り旦那やアデランスの中野さん、キン骨マンやイワオと一緒に楽しませてくれたバイプレイヤーのヨサク。
めちゃくちゃ綺麗に押印できた。気持ちこもってんなぁ俺。
背景の渦状のエフェクトと色とポーズがドンピシャ。
東京に戻ってきたら今度は取手駅まで移動。
東京駅からおよそ50分。ここまでの疲労を回復する一眠りにちょうど良い。
スタンプがある街、取手駅。
取手を守るのはシルバーマンだった。
今やってるキン肉マンが無かったらずっと象徴にしか過ぎなかった人なんだけど、
めちゃくちゃカッコよくなって出てくるので過去のキン肉マンしか知らない人は是非完璧超人始祖編を是非見てほしい。
千葉。
実は我孫子駅には別の楽しみがある。
前回ドラゴンボールのスタンプラリーをやった時に立ち寄ったコスパ最強バカ美味の洋食屋コ・ビアンがあるのだ。
御多分に洩れずここで食事をとる。
オムライスとハンバーグで迷った結果、どっちも選ぶという王者のみがゆるされる王者の飯を食う。
ちらほらと礼服を着た若い学生風や煌びやかな衣装の若者が目につく。
今日、明日は成人式が執り行われることを思いだす。
これからの日本を支える若者達、休みの日にスタンプラリーをにやにやしながらすすめる大人にはどうかならないでほしい。
我孫子から日暮里まで移動。
我孫子(真弓ちゃん)、
柏(ビッグザブドウ)、
新松戸(ブロッケンJr.)、
松戸(マリポーサーこと盗人ジョージ)、
金町(ビッグボディ)、
亀有(アシュラマン)、
北千住(スーパーフェニックス)、
南千住(キン骨マン)
三河島(ビビンバ)、
と順にクリア。
北千住を過ぎた頃には西陽が強くなっていた。
日暮里からは再び山手線ステージだ。
一筆書きで回れない為、思案のしどころである。
日暮里から西に向かって進み、高田馬場まで向かうことにした。
そこから北上し、尾久から上野まで向かって、代々木まで総武線で進むほうが効率が良いと判断。
時計を見ると18時。まだ時間はある。
山手線は区間が短くリズムに乗れれば1駅およそ7分で進むことができる。
ところで鶯谷はドラゴンボールの時はスタンプラリー対象駅ではなかった。
けど今回はミート君。教育的配慮は必要かと!
キンターマンとかで良かったんじゃないか!
そんな憤りを感じながらひたすらにスタンプ。
駅に着く、改札に向かう、並ぶ、スタンプを押す、スタンプ台の写真を撮る、改札に再入場しホームに最短ルートで戻る、電車に乗る。
反復運動を続けることでどんどん最適化される自分に気づく。
フリーパスは出しやすい様に財布ではなく上着のポッケに入れる、駅に着く直前に目視でスタンプ台の場所を把握しておく、
といった風に人間はルールに順応していく生き物であることを嫌が応にも認識させられる。
日暮里(タイルマン)、
西日暮里(スプリングマン)、
田端(ドクターボンベ)、麻酔つかえや
一番好きなウォーズマンのスタンプは我ながら会心の出来でござーい。
大塚(バイクマン)、
池袋(もちろんサンシャイン!)を制覇。
なんでお前まで。
目白(ラーメンマン)、
高田馬場(ゼブラ)までノンストップ。
高田馬場からは新宿ではなく北上し、池袋から先に向かう。
板橋(カメハメ)、
十条(マウンテン)
赤羽(ウルフマン。絶対両国だろお前!)
東十条(アトランティス)をゲット。
続く王子駅ではついに我らのキン肉星王子が。
まるで神谷明氏の声が聞こえてくる様だ。
キン肉マンっていえばキン肉ハウスがあった田園調布だろ!って思うが、まぁ田園調布は今回コースに含まれてないから名前をもじった地名でいいとこ突いたなと思う。
スタンプはちゃんと怪獣退治していた頃の表情。
さて王子との対面の余韻も冷めやらぬ中、踵を返して赤羽へ。
赤羽からは尾久に向かう。
あたりは完全に闇だが尾久は尾久。
尾久からは一気に上野まで南下する。
北上とか南下とか、何となく規模でかげな移動表現してるけどたかだか都内ぐるぐる回ってるだけなんだよな。
上野にはロビンマスク。
皮肉にも因縁深い不忍池がある上野とは。
上野から三度目の山手線。
秋葉原ステカセキング、
神田カレクックと続く。ママ以外はナイス采配!
さて山手線とはまたお別れし、総武線ゾーンに突入。
水道橋(カナディアンマン)、
水道橋にカナディアンマンがいたのは初登場時に巨大化してドーム持ち上げてたから?
あれは東京ドームじゃなかったか。
スタンプ台では「カナディアン小倉!」という新進気鋭の漫才コンビの片割れっぽい表記があるが、これは確か新幹線をどこまで手で押して投げられるかという競技で小倉まで行った時の描写だと思う。
テリーマンが失格になった例の。
どうでもいいがこの競技で博多まで押してたやついたけど、その技が最強なんじゃね?
まぁスグルも月までチンピラぶん投げる技(暴力?)あったしあんまり参考にならないか。
飯田橋(キューブマン)、
市ヶ谷(ミスターVTR)、
四谷(テリーマン)、
信濃町(ザ・ニンジャ)、
代々木(スペシャルマン)から
新宿(ミスターカーメン。マキマキー!)、
新宿からは最後の砦中央線フリーウェイである。
ここでかなり時間が押していることに気づく。
そこでこれまでの戦略を変え、先に終点まで行き、そこから一駅ずつ回収して新宿に戻ってくるというムーブに。万が一途中で終電になってしまってもコンティニューしやすい様にという配慮。
新宿➡︎西荻窪まで一気に移動する。
電車ってこんなに乗っていられたんだなぁ、どこまでも行けそうだ、と思わずテクノロジーの進歩に希望の光を見たくらいで西荻窪に着く。
ベンキマン。
アニメだとベンキーマン。
こいつ単体のスピンオフが出来るくらい人気な超人。(プレイボーイ側の悪ふざけともいうか)
荻窪、
阿佐ヶ谷で四次元コンビをゲットし、
高円寺でティーバックマンをゲット。
続く中野駅ではもちろんこの人。
この中野さんの言う「女房を質に入れても」をガキの頃は言葉の意味はわからないがとにかく凄いんだろうと思っていたが、
実はとてもクレージーなくされおしまいじじい発言であることを知ったのは大人になった頃だった。今ならツイッターで炎上しそう。
あとお前それ必殺技じゃねえから。人身売買だから。
大久保のジャンクマンを経て再び新宿へ。
まずい。ラスト1時間くらい。
けど大丈夫だ。こんなこともあろうかと山手線の城南地区は取っておいたんだ。
山手線は他の路線よりも数が多いからな。
代々木はさっきクリアしたので原宿にむかう。
時間が時間なので若者で溢れかえっている原宿はスニゲーターと俺しかいないんじゃないかというくらい人がまばら。
原宿=スニーカーだからスニゲーター?
エアマックスみたいなやついたなそういえば。
そんな事を考えていると渋谷に着く。
渋谷はナチグロン。
なかなかいいキャラだったけどシリアス化に向けてゆるやかにフェードアウトした惜しいキャラ。
恵比寿ではマリしゃん。
目黒ではマンモスマン。
もうこの頃になると自分が今どこにいるのか、何をしているのか謎になってくる。
俺はスタンプを押すだけの人呼んでファイティングコンピューター!と2秒くらい思い五反田チエノワマンをやっつける。
残るはラスト1駅。
マウンテン戦後にミートくんのパーツを手に持ちながらキン肉マンに「ただ今、キン肉マン」と言ったテリーマンをイメージしながら最後の大崎へ。
正真正銘最後のスタンプ。
終電なのでもう後がないスタンプ。
スタンプ。。
スタンプ。。。
スタンプ台がない!
62駅もやってるとスタンプ鼻が効いておよそどこにあるかの勘がはたらくのだが、本当にない。
「スタンプ台は〇〇口改札の出口に!」と記載はあるのだが当該箇所にはスタンプ台はおろかデスマッチ用のリング一つ無い始末。
ゲェーーッ!まさか、終電なのでもうしまわれてしまったのか…あと一駅を前にして…
心の叫びが出る前に駅員さんに尋ねる。
「あの、、スタンプありますか…?」
「はい。どうぞ」
あっさり窓口から出てきた。
終電なのでしまってる途中だったらしい。
ここでようやくコンプリート。
長かった戦いよ!さらば!とインセンティブを引換えようと思ったら「東京駅です。」
と言われて無事死亡。
これは7駅分のスタンプ。
まぁ、この7人だよね。ビーンズマンもクリスタルマンもプヨプヨもいないし。
それにしても改めて思ったのは
年端のいかぬ子供達の超人への興味が物凄かったこと。
「お父さんこいつ便器!」「ねーこれどうやって戦うの?(マンリキ)」「こいつかっこいいよ!!(アシュラマン)」と、確実に直撃世代ではないキッズ達がまるで当時の子どものように興味深く見ているのがとても印象的だった。
電車の中でスタンプラリーに参加中と思しき兄弟がワザケシのキン消しをお互いに持って戦わせる光景を見て世代を超えて受け継がれる超人達にグッと来た。
過去のレガシーに親子で触れる機会になるスタンプラリーは本当にいいもんだ。
ありがとうJR、ありがとうゆでたまご先生。
これが吉永小百合の提唱する大人の休日クラブだよね?