ありがとうジオウ。仮面ライダージオウ終了に寄せての感想など雑記(図解あり)
数々の謎を残し、ジオウが終わりました。
平成ライダー20周年記念作品としてのポテンシャルを遺憾なく発揮し、仮面ライダー史、いや特撮ヒーロー史にその名をしろしめす時の王者となりました。
その偉業に敬意を評しつつ、今の段階で納得感のある事や心残りな事を感情の赴くままにざっと纏めました。
無かった事になった平成ライダーの消失
どう書いても現代文のテストだったら2点な日本語になってしまうのですが、視聴者から見ると仮面ライダージオウは「俯瞰した立場から平成ライダーを統括する物語」だったんではなく、あくまで「ジオウの世界にいるジオウ周辺を描いたジオウの物語」だったんではないかと思うのです。(表現ムズイ)
番組が始まった当初、ジオウは「平成ライダーが全て同じ世界の別時間で起きていた」、という解釈がされていました。
しかし番組終盤でスウォルツが全ての平成ライダー世界を融合させ、消滅させようとしている事が判明します。
なので番組当初の「平成ライダーが全て同じ世界で起きていた」というのは、視聴者から見ると「そういう事情が起きてるジオウの世界」ということ。
ジオウも含めて平成ライダー史を俯瞰すると、結局それぞれの平成ライダー史は交わる事なく並列で存在している、という理解で良いのかな、と思いました。繋がってると思われた平成2期ですらも1期同様並列した世界のそれぞれだったということですね。
平成2期ライダーは共演をよくしてましたが、それぞれの独立した世界にたまたま同じ名前同じ個体で存在していたライダー達だったんだと思います。(ダブル世界のオーズ、ドライブ世界のアクセル、みたいな)
なのでライダーの力を失ってしまったライダー達もあくまでジオウの世界の住人たちなので、平成ライダー史における各ライダーの世界はそのまま最終回の状態で残っている、という解釈です。
だからバトルファイトは終わってないしゲーム病も存在するし、蓮も真司も生きてるとし、カブトゼクターは天道が持ってるしコータさんはどっかの星で神様をやっている。
毎週毎週楽しませてくれたオリキャスの数々はあの時の本人ではなくジオウ世界での同一人物なんではないかと思うのです。
僕がジオウで唯一受け入れられなかったのは、過去のライダー達の歴史が”公式で”失われてしまったということでした。
※まあ商売的に何かしらの救済措置があるとは思いましたが
なのでラスト2話で明らかになった世界観設定に少しホッとしました。
よかった。ジオウは大好きだけど平成ライダー史も大好きなので良い落とし所ができたなぁと胸をなでおろしました。。。いいのかなこの解釈で。
並列した平成ライダー史の調理
今度は「ちょっともったいない」と思うこと。
前述の通り「平成最後の20作目」なんていう歴史的にも今後無いだろうと思われる超アニバーサリーイヤーだからこそ出来た「平成ライダー史を全部繋げる」という力技。
これによる副産物として、作品を跨いで同じ組織に所属する面々が共演できる、という幅ができたことが挙げられます。
で、もったいないというのは、この設定でもう少し遊べたんでは無いかと思うのです。
たしかに「あのキャラのその後」が見られたのはこれほどない喜びではありましたが、融合させたことによるコラボももっと見たかったなぁ、というのが本音です。
せいぜい欲望を利用されてグリード的にアナザーライダーになっちゃう檀黎斗とか、アナザーフォーゼからのアナザーファイズとか、未来ライダー繋がりでアクアが出てくるくらいしか無かったように記憶しています。
で、この作品を超えたコラボに関して、ウォッチ譲渡がちゃんと描かれなかったクウガ、ダブル、ドライブこそもっとやれたんではないかと思うのです。
彼らの共通点は警察と密接な関係にあるということです。
それぞれの作品には、
元未確認生命体対策本部一条さんに超常犯罪捜査課の照井竜、元特状課の泊進ノ介といった、超重要なキーパーソンがいます。
平成ライダー史は警察組織の協力あって成立していた事もたくさんありました。
この3人の先輩後輩関係やジオウへの介入、ウォッチの譲渡はそんな平成ライダー史の側面を描くのにもぴったりだったんじゃないかなぁなんて思ったりします。絶対尺足りないけど。
科警研の技術が特状課に引き継がれてたり、
不可能犯罪アンノウンと同列にミラーモンスター被害が描かれていたり、猛士とZECTの合同
オペレーションがあったり、関東医大病院にゲーム病患者が運ばれたり、鴻上ファウンデーションとゲンムコーポレーションに資本提携があったり、みたいな。
あの、地元友と仕事友が自分の結婚式で出会って楽しく騒いでる感じ。
その辺りはやはりMCUが丁寧にやっていたので尚のこと見たかったなぁという気になってしまいました。
令和ライダーになって
ゼロワン、どうなるんでしょう。
怪作の後、記念作の後ってとても大変ですよね。
ディケイド後のダブル然りゴーカイジャー後のゴーバスターズ然り。
でもダブルは見事にプレッシャーを跳ね除けて、そこから10年続く周辺アイテム商法やOV商法、番組終了後の作品作りなど、新たなマネタイズや作品作りのデファクトスタンダードを打ち立てました。
ゼロワンはここ近年じゃちょっとびっくりするくらいスマートでストレートにカッコ良いフォルムで驚きました。
ただ、全身蛍光色で自然界にいたらちょっと異端な感じもまた平成ライダーというか仮面ライダーが引き継いできた異形感というしりとりをちゃんと踏襲してる感じがあります。
存続の危機も多々あった平成一期から着実にマネタイズ方法を確立してバンダイナムコグループ不動の4番バッターコンテンツと化した仮面ライダーシリーズ。
令和になってさらにどんなサプライズを標準化していくのか。
ジオウ終了の寂しさとゼロワン開始の興奮の間でまた長い1週間を楽しく待っているとしましょう。
あ、加古川飛龍君はなんだったんだろう。
あとギンガ!
お前なに!