ジゴクジジイのジゴックス

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原作未見で200%楽しめるマジンガーZ・INFINITYが控えめに言って神ってた感想

特撮・マンガの原作リブート物や旧作のその後を描く作品って神にも悪魔にもなるじゃないですか。

覚えている限りでも仮面ライダー1号キカイダーreboot、009 RE:CYBORG、宇宙刑事ギャバンThe Movieなど、正直言って 昔好きだった飯屋に久々に行って好きだった定食頼んで「お、この中華スープはまだ味が変わってないなあ。けどスープ以外は全部もう違う味だし求めてた味じゃない。。。え、ホワイトカレーって何。。。」みたいな感じだったんですよ。 端的に言うと「求めてたのはコレジャナイ」だったんですね。

"現代的解釈"という免罪符のもと旧作の熱い演出に恥ずかしさを覚えてちょっとスカしてみたり、とってつけたような恋愛描写入れられたりセルフコメディにしちゃったり。なのでリブートで成功事例って結構無いなあという印象でした。 だもんで、第一報で劇場版マジンガーZ・INFINITY予告が配信された時は正直「あー、また何かやるんだ。デザイン見る為に映画見ようかな」くらいのテンションでした。

元々世代じゃないこともあり原作アニメは見ておらず、スーパーロボット大戦αコスパがいいから強化型マジンガーZを酷使していたり、バトルドッジボール初期値が高いからグレートマジンガーを使っていたり、デビルマンとの競闘が見たいから映画見たり、とそこまでマジンガーZ自体に知見も思い入れも無かったのですが、今回の映画はそんな僕でも気づいたらパイロットの兜甲児と一緒に必殺技を叫ぶくらい(心で)どっぷりヤラレました。 今回のマジンガーZ・インフィニティをひと言で言うとリアリティとロマンがパイルダーオンした最高のエンターテイメントだったなと思います。 マジンガーZ INFINITY公式サイトはこちら

マジンガーZ・INFINITY(インフィニティ)の感想

嘘と向き合うリアリティのある世界観

マジンガーZが作られたのは1970年代で、ロボットアニメのデファクトスタンダードを作った作品ですが、今見ると対象年齢や作られた時代背景もあり、ツッコミところが沢山あります。※今更それをいっこいっこ言うのは野暮ですよ。

ただ、そんな荒唐無稽なスーパーパワーが現実にあったら世の中ってどんなリアクションするかっていう、わりと子供向けアニメ作品では目を瞑られてきた嘘の部分に、めっちゃ現代的な解釈のもと合理的でリアリティを持って逃げずにぶつかって描いてるのが印象的でした。 ※原作にそういう話あるのかもしれんけど。

例えば光子力というマジンガーZの力の源があるのですが、そんな危険な力を一民間の研究所が持っていた事に対して世界がどう考えているか、そしてどうしたかや、役割を終えたスーパーロボットが社会とどう共存するか等、いささか説明的ではあるものの非常に綺麗な落とし込みがされていました。 フィクションにリアリティを求めつつ一方でロマンを求める厄介な人は非常に楽しめるんじゃ無いでしょうか。

説得力がある登場人物の一挙手一投足

スーパーロボット映画ですがドラマパートもとても丁寧に描かれています。3:7くらいでドラマが多かった気がします。 けどどのドラマも必然性がありこの映画を構築する上で欠かせないものばかりなので退屈ではなくむしろメリハリがあってすべて必要だったと感じました。 パイロット達の心理描写はもちろん、市井の人の描写、今より一歩先だけれども限りなく嘘の無い民間でのテクノロジー描写があり、さならがシン・ゴジラで描かれていた会話劇に少なからず影響を受けていたんではないかと思います。 ※自動運転車やAR端末等はアニメに現実が近づいたんだなあと感慨深くなりました。

また、昭和作品でよくネタにされる「悪役の世界征服という目的」に対しても現代的かつ合理的な解釈がなされており、マジンガーZの仇敵・ドクター地獄(ヘル)の動機に対しても興味深い言及が兜甲児の口からされています。 [caption width="1920" align="alignnone"] その3匹の中から好きなモンスターを一匹選んで冒険の旅にでるんじゃ[/caption] 引用:http://www.mazinger-z.jp/character.html

これが見たかった!っていうかやりたかったんでしょ!な圧巻のバトルシーン

引用:http://www.mazinger-z.jp/robot.html そして何と言ってもスクリーン狭しと大迫力に暴れ回るマジンガーZ!! 私は「必殺技を出す時に叫ぶのって相手に次の攻撃教える様なもんじゃねえか」と思春期に擦れていたくちだが、そんな屁理屈・やっかみをブレークされるほどのかっこよさでした。

また、「一線は退いていたけど昔とった杵柄で悪い奴らをぶちのめすシチュエーション」という旧作ファンが見たかったであろう最高に胸キュンっていうかブレストファイヤーなエモいシチュエーションが展開して、旧作をしらずとも最高に燃えました。 [caption width="1920" align="alignnone"] 声はジャッキーじゃなくてゾナーだった[/caption] 引用:http://www.mazinger-z.jp/character.html

なんでアニメ見てなかったんだよ俺のアホがあああ!と5回くらい思いました。隣のおじさんは泣いてました。わかるよ。

マジンガーZ・INFINITY(インフィニティ)、もう少しだけ

映画を見終わった後、高揚感と共に余韻に浸っていると前日譚となるマンガがあることを見つけました。 マジンガーZインターバルピースという作品です。ファンからしたら常識なんでしょうが恥ずかしながら放映後まで知りませんでした。

映画館からのその足で買いに行き、今しがた読み終わりましたが、読んでから本編を見ると一層世界が深くなる印象深い話ばかりなので、未見の方は是非このマンガも合わせて読んでみてください。

個人的には本編でも印象的に描かれるグレートマジンガーパイロット剣鉄也が住む部屋を探す話がグっときました。 アイコスを吸っているシーンは笑いました。

あとたまたま売っていたマジンガーZ大解剖というムック本も買いました。

私の様な旧作を知らないやつが作品のアウトラインをなぞるには丁度よい情報が多く、最低限の事前知識は得られた気がします。 これ読んでから映画見ればよかったなあ。

マジンガーZ・INFINITY(インフィニティ)、映画館で見るか、お家で見るか

もうデビルマンに「マジンガーZは空からの攻撃に弱い」なんて言わせない、空にそびえる鉄の城と化したマジンガーZのインフィニティな活躍を是非迫力満点な劇場で体験してもらいたいです。この感じ、パシフィックリムを見た後に似ている気がします。あれも劇場で見て本当によかった。

この路線で興行収入の成果が出ればきっと他の伝統あるシリーズものも、リブートがこんな感じで綺麗にかっこ良く作られるんじゃねえかなと思うのでめっっちゃ売れて欲しいと思うのでした。

スパロボやりてー。