【バレなし】龍が如く7の感想_新規もこどももおねーさんも楽しめる極上のエンタメだった
いましがた龍が如く7のトロフィーコンプリートした。
元来熱っぽく冷めやすい性質なので、一つのゲームでトロコンする事は無かったのだが、龍が如く7だけはせずにはいられなかった。
あの名作龍が如く0ですらトロコンしなかったのに。
ゲームの終わりが見えてきた時に感じるあの独特の寂しさから逃れられないほどの吸引力を持つゲームだったから。
結論から先に言うと、龍が如く7はこれまでの龍が如くシリーズをやった事なくても十分に楽しめるエンタメだった。
よく我慢したなっていうくらい過去の話は出てこず、せいぜい過去シリーズ知ってればニヤッとする程度の触り方しかしていない。
だから新規の人で購入を検討している人達は"7"っていうナンバリングに惑わされないで欲しい。
なんか過去の話が出てきたら
「あー、スターウォーズエピソード4みたいなもんか」と思ってほしい。
一方で従来のファンには、見た目やシステムは変わっても龍が如くの大事な所はしっかり引き継がれているので是非選り好みせず確かみてみろ!
新主人公はホームレスから100億円企業の社長に
主人公の春日一番はドラクエが大好きな40歳の無職。
とある事情からムショに入ってて、
それから色々あってホームレスになる。
なので無一文から始まるのだが、これまでのRPGであったかな。
自販機の下漁ってお金溜める勇者(40歳)って。
最初はマジで金ないのでそうやってゴミ漁ったりチャリで空き缶集めてお金を貯める。
で少しずつお金を稼ぎながら街の人達のお悩みを解決して回って、住まいを見つけて生活水準を上げていく。
わかりやすく言うとヒト科の動物しか出てこない「どうぶつの森」みたいなもんだね。
虫を獲ったり野菜や花を植えて育てたりするし。
完全にどうぶつの森だわこれ。
そんな感じで横浜の外れにある、民度がマジで終わってる街で暮らし始めて、徐々に主人公が事件に巻き込まれていくのだが、ちゃんと周りのおじさんとかが次にやる事を教えてくれるのでそれに従って進行する感じ。
主人公のパーティは基本的におじさんの集団なので常に
「腰いてえ」とか「腰が張るぜ」とか言ってる。
こんなRPGいままでなかったし今後もねえよ。
ちなみに本編とは別で騙されて潰されそうになった会社をなりゆきで助けることになった春日は社長になって資本でも逆転を目指す、会社経営モードがあるのだが、正直これが地獄面白いので本編が進まなくなってしまう。
なんで未上場企業なのに株主総会があるのかは謎だが、売り上げと販管費を考えて人を充てて利益を出していく、そこまでシビアではないカジュアルなシミュレーションゲームとしてとても心地よい塩梅に調整されている。
ホームレスから100億規模のホールディングス企業の社長になるって、むしろこれだけで一つのゲーム作れるわってレベルだったのでこれもオススメしたい。
ちゃんとここで稼いだお金に基づいて役員報酬が自分の所持金になるので、本編の攻略にリンクするサブゲームになっており、「寄り道が人を成長させる」という、龍が如くの法則はちゃんと生きているので期待してほしい。
マンガ日本昔話が好きならハマる物語
さて龍が如く7は極道モノ、反社系の話だという印象を先に持たれる為、かなりプレイヤーを絞ってしまいそうだが、こち亀とか銀魂とかにある人情話が好きな日本人なら大抵ハマる様な「普遍的な良い話」シナリオが実は多い。
現実で起こる嫌な事件なんかを、せめてゲームの中だけでも解決できれば。。
というスカッとする様な。
川に立ちションしてるじじいをスタイリッシュ暴力で更正したり、ゴミ屋敷のじじいをぶっ飛ばしたり、じじいが飼ってるザリガニを探してあげたり。
・・・じじいばっかり出てくるなこのゲームは。
まぁそんなロクなことが無い、暗いニュースが多い現実からちょっと寄り道できる、
心の清涼剤みたいな役割を期待してもらいたい。
良くも悪くも因果応報。身につまされるミニストーリーが多い。
思いつかない様なキモメンを繰り出すセガの狂気
街に現れる雑魚敵は露出狂や酔っ払いサラリーマン、ホームレスなど、そのほとんどが変質者で構成されている。
野球狂やイカれた信仰宗教の信者、2ちゃんねらーやいたずらマッサージ師といった、ガチでアウトなやつらもいれば、
中には
ドラクエっぽい「さまよう病人」
や
「事案じじい」
や
「はぐれホームレス」
なんてのもいる。
ちなみにはぐれホームレスはどんなに攻撃してもほぼ1しか食らわない上にすぐに逃げる。
セガはホームレスをなんだと思ってるんだ。
はぐれホームレスて。
ホームレスはそもそもはぐれてるものだろ!!
そんなセガの悪ノリ全開のキモメン達も是非見てほしい。
出てくるたびに爆笑するから。
ちなみにドラクエシリーズでおなじみの宝箱(ロッカー)から出てくるモンスターもちゃんと再現されてる。
不審者として。
お前ら全員不審者だよ!!!
そういえばこの敵達はスジもんという総称がつけられている。
そのスジの者だから、スジモン。
で、スジモン博士ってやつがいて
スジモン図鑑を渡されて、スジモン図鑑をコンプリートすることもサブミッションとして担わされる。
目指せスジモンマスター!って言われる。
うるせえな。怒られろ。
ロールプレイングゲーム♪やったことない人も♪春日と旅に出よう♪ドラマを作ろう!な戦闘システム
今回ターン性RPGとしての一作目なのでまだクセがあり、それが味だけど好み分かれるなーって感じ。
だけどそれがクリティカルにゲームをやめる理由にはならない程度だった。
タイミングよくボタン押すとダメージ増えるみたいなのが面白い。
その辺りは単調になりがちなターン制RPGにアクション要素入れて面白くなっている印象だった。
スーパーマリオRPGみたいな感じ。
これが単調にならないさじ加減なのでアクションゲームっぽく楽しめる。
ドラクエ好きも、そうじゃない人も
ドラクエ好きなら楽しめる要素がたくさんある。
そもそも主人公はドラクエが好きなので、「俺は様子を伺いながら喧嘩するんだ」とターン制の戦闘システム自体に説得力を持たせることを言っている。
話の中にも春日一番自体が自分の生き方にドラクエを重ねている表現が散見されるので、ドラクエ好きな人は共感するかも。
ドラクエシリーズではお馴染みの転職システムはダーマ神殿…じゃなくてハローワークになってる。
あとドラクエじゃ普通に存在してる宝箱、これを現実に落とし込むと…
そうだね。金庫だね。
街のいろんなところに金庫があるのでそれを開けると装備品とかが入ってる。
こんな感じで「現実をドラクエに例えるとこうだよね」っていう視点で見るのも面白い。
ちゃんとエンドクレジットにスペシャルサンクスで堀井雄二氏の名前があったので公認だった。そりゃそうか。
よく考えたらサブタイトルの「光と闇の行方」ってめっちゃドラクエぽい。
ロゴも角ゴに変わってるし。
超大手老舗のでっかい看板しょったゲーム会社が、モノが売れないと言われているこの時代に、すごい予算掛けて真剣にふざけて良いコンテンツを作るとこうなる、という、世界を見ても類を見ない怪作、もとい快作が出来上がってるので、ぜひ龍が如く7をプレイしてほしい。