ジゴクジジイのジゴックス

バカの頭の中を屁理屈と言葉のレトリックでしたためた虫下しコンテンツをご賞味あれ。WordPressで元々書いてた記事をインポートしたので所々バグってます。ごめんなさい。

てってってれれれ〜「美味しんぼの威力」(CV:荘真由美)

栗田:3ヶ月くらいかけてAmazonプライムにある「美味しんぼ」配信分121話を全部見てしまったのだけど、周りにあまり美味しんぼを見ている人がいないみたい。なんとか話せる友達を増やしたいのだけど、どうしたらいいのかしら、山岡さん。

 

山岡:無理に見せる必要ないんじゃないかな。

 

栗田:次回、究極のアニメドラマ美味しんぼ美味しんぼの威力」お楽しみに!

 

と頭の中で次回予告の栗田さんと山岡が会話するくらい蝕まれています。

ここ3ヶ月くらい取り憑かれたかの様にアニメの美味しんぼを全話見た上に、折に触れてなにかありゃあ人に視聴を薦めている今日この頃です。

飯食っちゃ美味しんぼ見て、お風呂で美味しんぼ見て、寝る前に美味しんぼみて、

これはサスティナブル美味しんぼライフと言っても過言では無いでしょう。 

友達に「Disney+に加入したんだけどおすすめ何?」と聞かれたので「アマプラの美味しんぼがおすすめだよ」と回答するくらい終わっています。

 元々アニメを定期視聴する習慣はなかったのですが、ことの発端は鬼滅の刃を見ようとしたらサジェストに美味しんぼが出てきて、タップしたのがすべての始まり。それまで一回も見たこと無かったのに。

 その時なぜサジェストで美味しんぼがあったのか。なぜタップしたのか。今となっては思い返す術がありません。美味しんぼが無かった時間を思い出せないから。

 余談ですが、なんか「原作読んだことのある作品をアニメで見直す」っていう行為が加齢と共にだるくなってきていて。ヒロアカとか鬼滅とか、漫画ではすごい好きなんですけど、自分の間で進められないことがとても苦痛で、2話3話でやめちゃうんですよね。※もちろんドラゴンボールZとかキン肉マン忍空はアニメから先に知ったのでアニメ版も好きです

 

で「美味しんぼ」。

見るまで本当に印象なくて、っていうか一回も見たことなかったんですよ漫画も。

世代も微妙に違うし、床屋とかサウナに置いてある「おじさんが読む漫画」くらいの印象。

数年前に知人に「シティポップが好き」と言ったら進められたのが美味しんぼのOP。

 グルメ漫画でシティポップって・・一体って感じでした。ほんとにそれくらいの印象。

おそらく美味しんぼにもたれている大多数の印象って「料理対決」だと思うんですが、実はそうではなくて、「料理という舞台装置を使った巧妙な人間ドラマ」なんですよね。ほんとは。料理対決なんて、海原はんが出てくる時くらいなもんで。

そういった意味では美味しんぼベンチマークブラック・ジャックだし火の鳥だと思ってます。まじで。

毎回嘘みたいに情緒不安定でアナーキーな偏見を持つイカれ大人達が料理を軸にコテンパンにされる悲喜交交の人間ドラマ最高ですよね。絶対二等親以内にいてほしくないやつしか出てこない。

 

 ちなみにAmazonプライムで見ると、回によっては画面左上に「薬物」とか「暴力」とかアラートが出るんですよね。最初意味わかんねえなって思っていましたが、見終わった後に”気付いたら2週目を見ている依存症”はまぎれもなく薬物だし、海原雄山の言動は"世にあるあらゆるハラスメントを煮締めた様な暴力"だったのであの注意書きはあながち間違っていないんだなあとしっくりきます。

 

 閑話休題美味しんぼがサスティナブルである点は、ながら見しても理解できるほどわかりやすい構成に尽きます。

 1話30分で基本的に1話完結なのでどこから見ても面白く、また説明的なセリフが多いんですよとにかく。なので画面見なくても何が起きてるかわかるくらい。

ラジオ的にも楽しめます。最高。
一方で1シーンの書き込み量もエフェクトの量もさすが究極を自称するだけあって毎週このレベルの映像作ってたのかよって驚きます。特に海辺の描写や氷の描写など、うっとりする綺麗さの映像がちょいちょい出てきます。

お話の構成は分かりやすいのでとっつきやすいんですよ。自分ごと化しやすいというか。

なんだけど、食材描写や背景、コマとコマの間、といったディテール部分は複雑でいて芳醇。そんなバランスが美味しんぼの魅力です。

めっちゃうまいお茶漬けみたいな感じなんですよ。少なくとも俺の中では。

 あとホッコり度が高い普遍的な美談が多いですよね。気が滅入る報道ばかりの現実に辟易とする中で心の清涼剤となります。原作がバブルくらいなんですが、
令和の時代には絶対に流せないであろう地獄レベルの偏見を持つ反面教師が沢山でてくるので胎教にも向いていると言っても過言ではありません。

 

他にもたくさんありますが書き連ねると2兆文字くらいになってしまうので割愛します。

 以下はYouTube公式チャンネルで配信されてる神回です。

第28話「とんかつ慕情」

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アメリカで成功した日本人の実業家から尋ね人の依頼を受ける東西新聞文化部。
その依頼は「自分が学生の時にお世話になったとんかつ屋を探して欲しい」というもの。
果たして一行はこのとんかつ屋夫婦を見つけられるのか、という話。
「とんかつをいつでも食えるくらいになりなよ。それが人間偉すぎもせず貧乏すぎもしないちょうどいいくらいってとこなんだ」という親父さんの金言は、今やネットミームとして市民権を得るくらい浸透した標語みたいになっていますね。
 最後までどうなるかわからないハラハラの展開と、それぞれの終わりに「あーー見てよかった!!」と30分間を思い返して感謝してしまう一話です。ほんと、こういうのでいいんだ。こういうのだけ見ていたい。

 

第5話「そばツユの深み」

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  無許可でやってる屋台そば屋さんが路上許可を取るために美味いそばを練習する話。
初期回の中でもかなりの名作回です。
 中松警部というバイオレンスグルメなめっちゃ怖い警部が出てきます。ちなみに中松警部が出てくる回は大体面白いです。

 

第23話「うどんの腰」

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 反社に嫌がらせ受けてるうどん屋さんが、起死回生の策として引退したレスラーやお相撲さんを雇って反社に倍返しする話です。
なんだよそれ。
 ちなみに雇われた人たちは後の別の回でも登場します。
こういうゲストキャラを使い切りしないでちゃんと展開に合わせて登場させるのも美味しんぼの憎い所ですね。

 

他にもざっと100話くらい神回があります。

 

そういえば主題歌の「dang dang気になる」はシティポップ全盛期のシティポップ感がほとばしっていて最高です。
主人公の山岡は主人公なのにほぼ 2シーンくらいしか出てこないところもシティポップ感凄いし、絶対に日本じゃないであろう高層ビル群の夜景もシティポップ感が凄いです。

前期OPの「You」もたった1クールにしちゃあ勿体ないくらい良い曲です。

 

とりあえず騙されたと思ってとんかつの話見てください。

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