ジゴクジジイのジゴックス

バカの頭の中を屁理屈と言葉のレトリックでしたためた虫下しコンテンツをご賞味あれ。WordPressで元々書いてた記事をインポートしたので所々バグってます。ごめんなさい。

FF7リメイククリア後の感想など|リメイクはリマスターにあらず

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FF7リメイクの1週目をクリアした。プレイ時間は40時間。

豊富なサブストーリーを全てプレイした状態でこれくらいだが、
寄り道しなかったら半分くらいの時間で終わりそう。

さてFF7リメイク。
知ってる人達の知らない話がとても面白い。
旧作を上手い具合に忘れてるので新鮮な気持ちで楽しめた。

世界観の表現に技術が追いついた結果ターン制RPGではなくなったという説得力あるシステムで大満足。
このゲームを一言で評価すると、とにかく遊び易い。続け易い。やり直し易い

これだけ伝説化したタイトルのリメイクとなると、めちゃくちゃ荘厳に作っちゃって取っ付きにくくなってしまってもおかしく無い所を、徹底的に考えられたユーザビリティで常にプレイヤーに寄り添って(しかも敬語だよ)ガイドしてくれるので超遊び易い。

この、世界観とインターフェイスユーザビリティを高いレベルで共存できているのは本当に凄い。
これの為にPS4買ってもいいんじゃないかというくらい楽しめた。
さすが一時代を作った伝説級のタイトルなだけあって、思い入れ補正無しでも十分戦える恐ろしいコンテンツ力があるので、FF7にそこまで思い入れが無い人の方がもっともっと楽しめるんじゃないかな。


以下、簡単に所感などを。

難易度

全体的な難易度は程よくハードで日常の邪魔にならない程度に遊び易い。

モンハン程の技術は求められないけど、敵の弱点ややっつける順番を登場人物の会話からひも解いて攻略しないとすぐ全滅してしまうシビアさがある。

特に後半は相性の良いマテリア(属性魔法とかバフ効果を付けられる装備品)がついていないと普通の雑魚によく全滅させられた。

ただ、これまでのFFの様に死んでもタイトル画面に戻るわけではなく、バトルの直前か、チェックポイントと呼ばれるゲームのキリが良い所に戻ることを選択できる。

これによって昔のゲームにあった、「バトル直前に戻されたはいいけど、今の装備品とレベルとアイテムじゃ何回やっても絶対勝てない」という"詰み"の状態を回避できる親切設計の為、気軽に死んで学習しながら効率よく攻略する事ができる。

正直、この仕様があったから楽しく終わらせられた様に思う。

倒せなかったモンスターを少しずつ学びながら倒していける様になるプロセスで「俺上手くなってるじゃん」という本能的に楽しさを感じられる設計が心地よい。

また、RPGによくある宿屋は一部をのぞき廃止され、マップの色んな箇所に「ベンチ」があり、そこに座る事で宿屋やテントと同じ様な効果を得る事ができる。

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このベンチのステッカーが欲しい。バカ売れすると思う。

これがちょうど良い距離感で配置されているので「あーそろそろキツいな」っていうタイミングを見透かされた様に設置されてる。

敵のアジトだろうが列車墓場だろうが山の中だろうがベンチは俺たちを受け入れてくれる。ベンチは俺たちを裏切らない

また、自販機もベンチに設置されており、ここではポーションエーテルフェニックスの尾はもちろん、マテリアや腕輪系の防具まで売ってる。

これによって、もっと詰み状態が緩和されている。

インターフェースとか

システム側の事情でユーザーに不便さを要求する」という事が全く無くてその技術力にびびる。

※例えばカメラワークを固定する、特定の場所まではセーブができない、などのシステム側の処理が追っ付かないからできません、みたいのがまるでない。すごい!

旧作だとごちゃごちゃしている背景と、操作キャラの境目がわからなかった。
なのでどこが進める道でどこがはしごで、みたいのがとにかく混乱させられた記憶がある。※インターナショナル版ではクラウドが画面上のどこにいるかや開けられる扉が矢印表示されるアシスト機能があったくらい。

ところがリメイク版ではプレイヤーが本能的にガシガシ歩ける様な画面デザインになっていて、そのあたりには隔世の感があった。


世界観とか

PS版ではデフォルメされていた描写のあれこれを、高解像度(綺麗にというわけではなく)で細かく描いており、一言二言で終わっていた会話の中にどれほどの感情変化があったかや、「ゲームとしての嘘」みたいなのをリアルに寄せる為の新設定が盛りだくさんで、より物語としての違和感が無くなっている。

例えばアバランチが本派と分派に分かれていて、バレットやウェッジ達は分派に属しているから少数とか、一番魔晄炉の爆発はアバランチによる被害をよりエグく民衆に思わせる為に新羅カンパニーがよりド派手に爆発させていた、など。

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これ住友系ビルによくある、エレベーターの中継階にあるドトールじゃん。

この辺りのアレンジというべきか追加調味料みたいのが、PS版が大好きな人には少しアクが強すぎる様だったみたいだが、あの世界で起きている物語をバイアス無しで追いかけるという体験上では意味の大きい追加要素だったと思う。

やりこみ要素

このFF7リメイク、一周するとステータスを引き継いだままチャプター毎にリプレイすることができる。プチ強くてニューゲームみたいな。

なんせ取り返しのつかない要素が多いので、トロフィーコンプリートしようとするとどうしてもこの周回プレイをしないとなんだな。

それでなくても1週で1個のレアマテリアを複数持ちたいとかにはうってつけだし、なによりこの世界でもっとずっぽり楽しみたい人向けに、高難度のハードモード実装やクリア後にしか出ないモンスターなど、お値段以上に用意がされている。

とはいえレベルは50くらいなので、割とカンストまではサクサクいける。マリオRPGくらい。
さらっと遊ぶも良し、ごりごりやり込むのも良いニュートラルな感じが遊び易い。

例のあれ

もうさんざん手あかのついた話題だが、このFF7は実はマルチバースないしはタイムリープではないかという話。

不思議少女兼、終身名誉ミスターポポことエアリスの不思議な台詞の数々「なんでお前何でも屋って知ってるんだっけ」とか、終盤に出て来る明らかに「ゲームを楽しんでいる我々プレイヤー」だけが知っている映像を演出に載せて来るあたりは確実に過去作との関連をにおわせているよね。セフィロスのメタ発言とか。

アフター運命の番人討伐

ちなみに「運命の番人」はFF7の過去作をプレイして結末を知っている我々の象徴だと思う。

リメイク版でちょっと原作と違う展開をしようとすると邪魔して本来のFF7の歴史に軌道修正しようとしてくる所とか。

今回のリメイク版でその運命の番人=過去作で約束された物語展開をクラウド自身が断ち切ったことで明確に「これからはお前等の知らないFF7やるから。とりあえずカームの町まで待ってろ。まあカームの町じゃねえかもしれないけどな!」という意図があった事は間違いないだろう。

となったらやっぱりエアリスが死なない未来を期待してしまうが、やっぱり死んでしまうのか、最後に生き返るのか、プレイヤーのサブストーリ達成率によって変わるのか、リメイク版の売上によって変わるのか、それはわからないが、いずれにせよリメイク版で丁寧にやっていた様に、引き続きの説得力ある結末にしてほしい。

リメイクはリマスターじゃないからこれでいいのだと思う

"リメイク"という言葉を聞くと反射的に「最新の技術で再構築する」というニュアンスが頭をよぎってしまい、ビジュアルやユーザビリティのブラッシュアップが正解と思ってしまう。これは古くはFCからSFCにリニューアルされたドラクエ3などの移植版が

そうだっただけで、それらは多くの場合リマスター版だった。

が、これはリマスター版ではなくリメイク版

「リメイク」とは「作り直し」なわけで、原作をなぞることはどこにも約束してないんだよね。

そう言う意味では新たに解釈されたFF7を作り直す、というアプローチの本作にリメイクという言葉を冠した事には納得感が強い。



あれ、そう言えばこの続きがあるとしたら(あってくれよ)、どんな名前になるんだろう。

FF7リメイク-2?


あ!きっと
FF7リローデッド
FF7レボリューション

じゃないか。

 

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